渡辺電機(株)

マンガ家・渡辺電機(株)さんの公式ブログです

横綱天使☆ぷりん

横綱、稽古お疲れさんでした。今日のちゃんこは、鶏団子ナベとグリンピースごはんっす!付き人から受け取ったどんぶりに山盛りの豆ご飯を見て、白鵬はあんぐりと口を開けていたかと思うと、やがてぼろぼろと大粒の涙を流し、号泣し始めた。グリンピースきらいや言うたのに。うちいやや。いややー。モンゴル出身のはずの横綱が、なぜ泣くと関西弁になってしまうのか、その謎を探ろうとした渡辺電機(株)さんは、大阪府泉南市の路上で目撃されたのを最後に、行方を絶っている。既に、大阪湾に沈んでいるのかもしれない。トップ屋稼業には、常に危険が付きものなのである。困り果てた付き人らを尻目に、横綱はいつまでも、しゃくり上げて泣き続けた。いつもこの手で、プリンをせしめるのだ…。

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おい地獄さ行ぐんだで!

喰らえッ必殺!カニ光線!しびびびびびび。渡辺電機(株)さんが左右のハサミを頭上で交差させると触覚が光り、下品なピンク色の光線がほとばしり、鬼浅の身体を貫いた。ギャーッ!!なまぐさい炎に包まれた鬼浅は、悶え苦しみながら海へ落下していった。おれたちは勝ったんだ!プロレタリアットの勝利だ!口から歓びの泡を吹いて勝利の余韻にひたる渡辺電機(株)さんを、労働者たちはよってたかって手足をむしり取り、塩ゆでにして食ってしまった。ミソまで食われてはたまらないと、甲板を転がって海に逃げ込んだ渡辺電機(株)さんは、巨大なダイオウイカに姿を変えて船を襲い、労働者たちもろともオホーツクの冷たい海に沈めた。勝者のいない、哀しい闘いが幕を閉じたのである…。

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海からの呼び声

うふふふ。妖艶な笑みを浮かべ、しなを作ってワンピースを脱いだ渡辺電機(株)さんは、ほとんど裸同然のビキニ姿で、アバラの浮いたやせこけた躰を見せつけた。高知県須崎市の安和駅前に広がる美しい砂浜で、みすぼらしい裸の中年男が、浜風にあおられヨロヨロと立っている。げほげほげほ。ガーッぷ。はげしく咳き込み、汚らしいタンを砂浜に吐き捨てると、渡辺電機(株)さんはよたよたと波打ち際へ駆けて行った。ああ、せっかくの須崎の美しい浜辺が、渡辺電機(株)さんの薄汚い裸で汚されてしまう。目を覆いたくなる思いで、駆けて行く背中を眺めていると、砂の凹凸に足を取られ、ふらふらと前につんのめった渡辺電機(株)さんを、波打ち際から突然顔を覗かせた巨大なシャチが、頭からぱくりと丸呑みして、そのまま海中に没した。悲鳴も聞こえず血しぶきも飛ばず、何の痕跡も残さずにシャチの餌食となって海に消えた渡辺電機(株)さん。いったい、何のための半世紀の人生だったのか…。

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ドクター・フィールグッド

モトリー・クルーに校舎の屋上に呼び出された渡辺電機(株)さんは、カツアゲ、最悪リンチ殺人を覚悟して、遺書を懐に震えながら放課後の屋上にやって来た。おどおどと進み出る渡辺電機(株)さんを取り囲む屈強な4人の大男。ななな、なんすか。四つん這いになれや。ヴィンス・ニールが、バケツのポップコーンを口に放り込みながら、顎で指図する。トミー・リーがミリンダグレープの空き瓶を背後に投げ捨て、ニヤニヤしながらジーンズのジッパーを下ろす。ああ、おれモトリー・クルーに輪姦されるんや…。腰が抜けて逃げることも出来ず、呆然と見上げたトミー・リーがジッパーから取り出した、巨大なイチモツ。その太い幹に、極太マッキーで描かれた"Happy Birthday, Denki."の文字。 笑顔の4人に助け起こされ、祝福のシャンパンシャワーとクラッカーの紙吹雪を浴びる渡辺電機(株)さんに、プレゼントのサイン入りプラチナ・ディスクが手渡される。友情って、ええもんやな…。だが渡辺電機(株)さんはこのディスクを利用して、4人に無断でモトリー・クルー記念美術館を建てて大もうけし、この美しい友情もあっけなく消えた。

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野望の巌流島

死んでもらいます。そう言ってバナナの皮をむき、背後に放り投げた白装束の渡辺電機(株)さんは、剥き身のバナナを口にくわえたままプールサイドを横切り、金髪美女の膝枕でぶどうを食わせてもらっていた安倍総理に近づいて行った。小次郎破れたり。安倍総理の怒号が、真っ青な夏の空に響く。自ら刀の鞘を捨てるとは、自ら命を捨てたも同然。この勝負、もらったわ。顔におおいかぶさった乳房をかき分け、美女の膝からゆっくりと身を起こすと、安倍総理は口の中にぶどうの実を限界まで詰め込んだ。憤怒の気合で、すぼめた口からマシンガンのようにぶどうの実を噴出する安倍総理。口にくわえたバナナで、それを打ち返して行く渡辺電機(株)さん。やがて二人とも果物を喉に詰まらせ涙目でのたうちまわり、決闘はなし崩しに引き分けに終わった。二人は仲良くサイゼリヤでおしゃべりを楽しんだ後、再戦を約して、別れた。プールサイドに散らばったぶどうとバナナを掃除させられた美女は大層腹を立て、これを境に、反自民の政治活動にのめり込んでいくことになる。

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怪談ばけねこボクサー

亀田四兄弟の最終兵器・亀田電毅と名乗って話題を引っ張りつつ、一向にデビューしないまま、とうとう五十歳を超えてしまった渡辺電機(株)さんを、史郎氏はたまりかねて大阪のジムに呼び出した。忙しい合間を塗って三兄弟も顔を揃え、父とともに渡辺電機(株)さんの到着を待ったが、約束の時間を過ぎても、その気配はなかった。逃げたんちゃうの、兄貴。鼻を鳴らす知毅を制し、渋滞かなんかで動けへんのとちゃうかと、心配そうに眉をひそめる興毅。おれが見てくるわ。拳と手のひらをパシパシ言わしながら階下へ下りていった大毅の、怯えきった悲鳴が響き渡り、一同慌てて立ち上がり、階段を駆け下りた。馬ほどもある巨大な猫が、大の字に倒れた大毅の胸の上に乗り、その顔をぺろりぺろりと舐めている。凍りつく兄弟を下がらせ、史郎氏が進み出た。とうとう人の心を忘れたんか、電毅。かつて渡辺電機(株)さんだった巨大な猫はにゃぁ、とひと鳴きすると、目にも止まらない速さで、窓から飛び出して行った。大毅を助け起こす知毅を呆然と眺める史郎氏。親父、どうする。興毅の問いかけに、ゆっくりと向き直った史郎氏の目に、やがて使命感の炎が宿る。やるしか無いやろ。あれは、おれたち亀田家が作り出した怪物や。史郎氏が差し出した拳の上に、三兄弟が順番に、拳を乗せて行く。最後の戦いの時が、迫っていた。

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表参道軟派ストリート

青山通りのオープンカフェで一人、目の前のアイスティーに手を付けず、物憂げに座っていた女性に声をかける。すみません、お隣よろしいですか。少し腕が太いかな、と思った、その金髪の女性がゆっくりと顔をあげると、それは女性ではなく、レスラーの高山善廣であった。いいっすよ、どうぞ。柔らかな笑みでそう言われて、もう後には引けない。ホットココアを両手でしっかり持ったままチョコンと座り、ちゅうちゅうとせわしなく吸い上げる。そんなおれをじっと見つめていた高山が、ゆっくりと口を開く。おれに話があって来たんでしょ、前田さん。誰と間違えているのか。異様な迫力に気圧され、人違いですとも言い出せないまま、おれは高山の車で両国国技館へ連れて行かれ、前田日明と称して高山とタッグを組み、リングに上がるハメになった。リングアナのコールを受け、半泣きで尻込みするおれに、高山は舌打ちして先鋒を買って出た。心細い思いでコーナーから満員の会場を見渡すと、鬼の形相で花道をこちらへ向かってくる本物の前田の姿が、はっきりと見て取れた。

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