2016-12-01から1ヶ月間の記事一覧
大学時代はガールハントにも行かずコンパにも出ず、ひたすら勉学と新聞配達に明け暮れ、学友たちの女色の話題にも加わらず、哲学に親しみ読書を愛し、刻苦勉励の清廉潔白な学生生活を送っていたが、内面では若さ故の抑え難いマグマの如き性衝動を持て余し、…
福岡県飯塚市のひまわり幼稚園に、園児に変装して潜入したデューク東郷だったが、ターゲットの渡辺電機(株)さんはひと目でこれを見抜いた。間違いねえ!奴はプロだ!あの眼はプロの眼だッ!!5歳にしてなんたる慧眼。うめ組担任の小岩井先生に、東郷が殺し…
テキサスいちの荒くれ者、保安官にも手のつけられない鼻つまみ者の渡辺電機(株)さん。近所の牧場の馬を捕まえて丸焼きにして食ったり、国立公園の山の主といわれる巨大バッファローを素手で倒し、角を両脇に抱え意気揚々と引き上げて来たり、川で素潜りをし…
歌舞伎町のサントリー館で、1979年東京都知事選の泡沫候補同窓会。東郷健、赤尾敏、深作清次郎、安井けん、秋山祐徳太子らおなじみの顔ぶれが揃い、楽しい会になった。スペシャルゲストのキッチュが演じてみせる各々の政見放送のパロディに、一同抱腹絶倒で…
Macを持ってスターバックスに行ったら、窓際の席はぜんぶ埋まっていた。ただ、その中に読書をしているマナーの悪い女性がいたので、すみませんMacを使うので席を代わってくださいと言ったら、ハァ?とキレ気味に返され、以後はこわばった表情でガン無視しや…
ようホラッチョ、何おまえぬけぬけとテレビ出てんだよ?と、モーリー・ロバートソンに絡んだら、5時間に及ぶ英語と日本語を混ぜた語彙豊富な罵倒を受け、酔いもすっかり醒めてしまった。あいつ、ほんとに外人じゃん!ああそうか間違えた、コイツだコイツ。…
2枚組のアルバム「The Beatles」、通称ホワイトアルバムを製作中、リンゴが一時本気で脱退を決意してスタジオを離れたエピソードは有名だが、その際にバンドとの連絡を一切断って身を寄せていたのが、当時おれが江ノ島に持っていたコテージだったことは、殆…
食べている途中でゲロを吐くという画期的な演出で、一気に食レポのスターにのし上がったおれだが、プライベートで外食をする際にはゲロどころかゲップや咀嚼音すら立てず、慎ましやかに完食して笑顔でごちそうさまを言って席を立つので、先輩の彦麻呂さんに…
家族やスタッフの反対を押し切ってカブトムシ細胞のパッチを当てた夜から、俳優・哀川翔は39度を超える高熱を発して寝込んだ。飲まず食わずで眠り続けた三日目、目覚めた哀川は、家族の呼びかけに大きな目をぐるんと巡らせ、あの声でひとこと「水ぅ!」と言…
萩原朔太郎からエロ趣味の同好の士として熱烈にシンパシーを表明された江戸川乱歩は、当惑していた。元来、質実剛健にして純潔を尊ぶ汚れひとつなき童貞の身。それが有名な文人を前にして、つい背伸びして演じてしまったビザール趣味の変態ディレッタントを…
有馬記念の枠順抽選会。おれはキタサンブラックの隣、2番枠からの出走。馬だけでなくチャリに乗った人間の出走が認められたのは意外にも古く、1998年のスペシャルウィーク全盛の時代だが、実現したのはおれが最初。そんなルールがあることすら知らない関係…
おれを乗せた車椅子は、細い山道をずんずん分け入り、人影もない峠道をどこまでも進んだ。どこまで行くのか問うても、後ろから答えはない。振り向いて押し手の姿を確認しようにも、強い西日にかき消され、その姿はよくわからない。おい、おれをどうする気だ…
「ふぞろいの林檎たち」最終回。「思い切って彼女にプロポーズしちゃいなよ」と時任三郎に背中を押された中井貴一は、プロポーズをドクロ坊主と聞き間違えた。一念発起した中井は頭を剃ってドクロの刺青を彫り、褌一丁の裸に巨大な数珠を首から下げ、高下駄…
メロスは走っている内にだんだん脳内物質が出てハイになり、疲れも足裏の痛みも全く感じなくなり、通りすがりの佐川のトラックの前に立ちふさがると、配達の兄ちゃんを引きずり出して殴り倒し、車を奪った。佐川の配達と言えば屈強な偉丈夫の集団として知ら…
フェリーの出発まで1時間ほどの待ち時間ができたので近場で地元の海鮮料理でも食いましょうと、ターミナルから見える「猟師めし」のノボリをたよりに10分ばかり歩き、いかにも地元密着の定食屋ののれんをくぐった。元気の良いおかみさんの掛け声が嬉しい。…
こんなおれでも過去に何度か好きな女性アイドルを作ろうとしたことはあって、松本ちえこ「ぼく」、荻野目洋子「無国籍ロマンス」、五条みよ子「エロイム☆エッサイム」などのシングル盤を買い求めたことはありますが、結局まともに聴きもしなかったっす。小学…
駅前に車を止めてバナナを売っていたので、酔いも手伝ってつい買ってしまい、家に帰って一本食おうと皮をむいたら、中から変な虫がワサワサ出てきて、中身は全て食い尽くされていた。憤激して駅前に取って返し、残りのバナナを突っ返してオイおっさん、これ…
四代目魚武渡辺電機(株)を名乗って活動していたら、三代目と称するヤツからクレームがついたので、知り合いの親分に頼んで内々に処理してもらった。人が金もうけしてると、かなっらずああいう欲の皮の突っ張ったヤツが出てくるんだよな…。詩人ビジネスもます…
智恵子が東京には空がないと言うので、せやせや、やっぱり大阪が一番やで。そう言って食いかけの串かつをちゃぽんとソースに漬けたら、智恵子は二度漬けを見逃さなかった。智恵子はモノスゴい速さでその串かつを奪い取り、おれの右手の人差し指の爪の間に、…
猿が「懐に入れて温めていた」と言い張る草履には、びっしり陰毛らしき縮れ毛が張り付いていた。仮にこれが陰毛ではなく胸毛であったところで、キモいことに変わりはないので、柴田に命じて即刻、猿を打ち首にした。その頃に柴田が側近にいたかどうかも、猿…
実家の松の木の根元に生えていた黄緑色の謎のキノコを、松に生えてんだから松茸だろうと煮付けにして食ってみたが、夜中に高熱を発しヒドい腹痛と吐き気と下痢で生死の境をさまよった程度で、まあ特に害は無かった。また生えてきたら、今度は天ぷらにしてみ…
サークル随一のナルシスト篠原は、うっかり勃起時の硬度を自慢したばかりに、豚のチンポのようだ、ドリル状に高速で回転するのだろう、ブタチン篠原と笑われ、目を潤ませ憤然と部室を飛び出して行った。ヴォネガットを愛し、密かに作家を志し投稿もしていた…
砂浜に埋もれた自由の女神像を見て「アッここは未来の地球だったのかッ」と気づく名場面、最初の設定では「アッ俺これ映画で見たことありますよ!そうやそうや、猿の惑星や!」というブラマヨ吉田のセリフとともに一気にメタフィクションの世界に入っていく…
急ぎの原稿を一本上げ、ちょっと遅めの夕食をとって、風呂に入ったらもう日付が変わろうとしていたので、そのまま寝た。寝入りばなに何者かが布団の中に入り込んできて、生暖かい手のひらでおれの口を塞ぐ。もがいて振りほどこうとすると、耳元で聞き覚えの…
ガヤの手数の多さがさんまさんに認められて、バラエティの常連として茶の間を賑わせてきたおれだが、楽屋でウロコを剥がしている所を、挨拶に来た若手に見られてしまい、すべては終わった。爬虫人類のスパイとして監獄に入れられたおれは、裁判を待たず直ち…
豊臣家に勝利した徳川家康。だが、日本の大名の頂点に立った彼の心には、むなしさだけが残った。「そう、世界にはもっと強い大名がゴロゴロいるんだ…!おれの天下統一は、まだ終わっちゃいねェ!」と、家康はアメリカに旅立つ。成田空港には、見送りに来たか…
シロアリ駆除を区の生活保全課に頼んだら、やって来たのは長い顔を覆ったマスクの下から長い舌をべろべろさせた、明らかにもののけが人間に化けた奴だった。あんた本当に区役所の人?それよりご主人、アリの巣はどこに。床下を指し示してやると、返事もせず…
名寄から旭川空港を経て東京に戻るのに、行きと同じ宗谷本線の特急では芸がないなと思って調べたら、廃線になった旧深名線のルートに沿った路線バスが運行していることが分かり、ひとつ朱鞠内湖の雪景色でも眺めながら、深川経由でのんびり帰りましょうと、…
なンだよ!おれが青春18きっぷ使ったらいけねえのかよ!声を荒げる金髪の中年男性はまぎれもなく、あのサッカー界の至宝・三浦知良選手だった。てめえJリーガーなめてんのか!いやお客さんJリーガーとか関係なくね、これ去年の使用済みのやつでしょ。運転…
ゾンビつったって民族によって食習慣が違うのに、肉ばっかり食うのはおかしい!畑を荒らしてキャベツやトマトを食うゾンビだっているんじゃねえのかよ!ゾンビに襲われた渡辺電機(株)さんはそう言い残して息絶えましたが、ゾンビになってからは主にイオンモ…