情けを、下さりませ。そう言って寝所に忍んで来た淫らな安倍総理に、北斗百裂拳を喰らわせた渡辺電機(株)さんは、自民党の公認を取り消された上に、同じ選挙区に石原伸晃氏が自民候補として乗り込んで来るなど、一気に苦境に立たされた。頼みの綱の知己のポンコツ漫画家らの応援演説も、駅前にズラリと並ぶ石原軍団の前では素人以下の不審者でしかなく、警官に選挙カーから引きずり降ろされて連れて行かれ、二度と帰って来なかった。ひとりぼっちの選挙戦の中でいつしか、渡辺電機(株)さんは自分が神の生まれ変わりであるかの妄想に、取り憑かれて行った。選挙戦終盤、神主の衣装で「卍」と書かれた半紙を撒き散らし、涎を垂らしながらこの世の終わりを説く渡辺電機(株)さんを、対抗陣営は惨めな狂人と哀れみ、嘲笑した。だが、その選挙区の人口比率は、いつのまにか相撲取りが95％を占めており、彼らは横綱の命令で渡辺電機(株)さんに投票した。いよいよ精神疾患が進行し、垢まみれヨレヨレの神主姿で国会の赤じゅうたんの上で踊り狂う渡辺電機(株)さんの足元に、今日もまたネグリジェ姿の安倍総理がすがりつき、一夜の情けを求めて身悶えていた。
