渡辺電機(株)

マンガ家・渡辺電機(株)さんの公式ブログです

ファイナルウォーズ

原子力砕氷船渡辺電機(株)號の推進式に招かれたポールマッカートニーは当然、出席するどころか、出欠の返事すら書かなかった。ビートルズ解散時の仕打ちを未だ忘れていないのは当然のことだったが、それ以上に長年に渡ってカツラ説やシークレットブーツ説を吹聴した渡辺電機(株)さんへの恨みは、生涯忘れることが出来ないほど深いものだったのである。あなた、やっぱり行ったほうがいいんじゃないの。ナンシー夫人の心配げな言葉にも耳を貸さず、ふくれっ面でスーパーマリオ3に没頭するポールの耳に、ばりばりと何かを砕き割る音が聞こえ、ふと嫌な予感に襲われた次の瞬間、別荘のリヴィングルームの大きな壁が砕け散り、濛々たる煙の中、巨大な砕氷船の舳先がめりめりと室内に侵入してくるのが見えた。いてるんやろポール!決着つけたろうやないけ!響き渡る渡辺電機(株)さんのダミ声に、ポールはニヤリと笑って立ち上がると気合一閃、爆音閃光とともに別荘は夫人もろとも蒸発した。シークレットブーツかどうか、てめえの身体で確かめてみるんだな!いつしか身の丈200mに巨大化したポールが、渾身の蹴りを砕氷船に向けて放った。激突の衝撃波がゆっくりと地球を覆って行き、大地が割れ海が煮え立ち、全ての生物が死に絶える。びくともしない砕氷船のデッキに仁王立ちして高らかに笑う、全裸の渡辺電機(株)さん。衝撃で粉々に砕け散ったはずのポールの下肢に細かな焦げた肉片が次々と吸い寄せられ、ゆっくりと修復されて行く。宇宙最後の戦いは、始まったばかりだった…。

可愛かったショーンレノンも40代半ばのおっさんである。

South of Reality

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