上方落語の重鎮・笑福亭螺畢甕に弟子入りして三十年、真打どころか二つ目の声さえ掛からないまま、奴隷のようにコキ使われた渡辺電機(株)さんはある日、クーデター宣言をした。師匠を全裸にむいて陰茎にTENGAを装着させ、真打にしか許されない羽織袴で通天閣に立てこもると、居並ぶTVカメラを前に、縛り上げられTENGAを被った陰茎を天に向けた師匠の前に座り、密かに独学で会得した古典落語の名作「だぼら龐篦」を演じ始めた。するってえとご隠居、こうですか…、と、目の前のTENGAを軽く上下する。師匠の、喜悦の悲鳴。いやいやそうじゃねえよ貸してみな、ここをこう…と、やや強めに上下。悲鳴。上方落語の歴史の闇に隠された嬲り殺しの芸、噺殺し。まさか平成の世に継承する噺家がいたとは。繰り返す快楽の波に衰弱し、ぐったり動かなくなった師匠にとどめを刺すべく、サゲの場面に差しかかろうとしたその時、銀河系とアンドロメダ星雲の衝突により、太陽系は瞬時に蒸発。あとには光も何もない、無の空間だけが残った。
20年くらい前に「森高さんがこの曲パクってますよね」と書き込んだら「森高が発掘しなければ無名のまま埋もれていた！ありがたく思え」みたいなお叱りを受けました。いやいや…
