女体に夢中！

今やネットさえ引ければ必要なものはだいたい入手できるので、どこか日本のハズレの僻地のアバラ家で誰にも会わずマンガを描く生活をしたく思ひ、アパマンやミニミニ等の賃貸情報サイトで探してみたが、ああいうところに情報を出す時点ですでにひなびた物件は省かれてしまっていて、離島の糞アパートなのに５万とか、網走のハズレの沼の畔なのに４万５千とか、まぁオトクな話は無かった。やはり現地に出向いて、老婆がタバコ屋の片手間にやっているような資格もあるかどうか怪しい不動産屋で、物件の存在すら忘れられていたようなものをほじくり出すしか無いか。あるいは、自殺者や孤独死関連の物件でも良いのだが。今住んでいる部屋からして、おれの入る２年前におっさんが赤黒い腐ったカタマリになっていた部屋なので、別に平気である。と、うわごとを呟いて、眠るように逝った渡辺電機(株)さんの遺体は、誰に発見されることも無く、朽ちて行く庵とともに土に還って行った。

フール・フォー・ザ・シティ+1(K2HD/紙ジャケット仕様)