渡辺電機(株)

マンガ家・渡辺電機(株)さんの公式ブログです

北条麻妃になれなかったよ

人間の五感はいいかげんなもので、おそらく見てもいないものや聞いていない情報を誤作動で感知してしまうことが日常的にあり、脳がそれらのノイズを除去して、世界を正常に認識しているのだと思う。だからその機能がおかしい人が「見える」「霊感がある」ということになるのであろう。それらのノイズを除去するのでなく「霊」というフォルダに入れてしまうのだな。それは育ちや環境などよって「神」であったり、「宇宙人」「妖精」であったり、「渡辺電機(株)」であったりする。(母の友人に「タモリ」という人がいた。)そしてそのノイズキャンセリング機能もまた、育ちや普段の生活で形作られた「常識」という曖昧なものがベースになっている。だから、15歳まで数百匹のイノシシとともに発狂した木こりに育てられた後、大仁田厚の付き人として過ごした思春期を経て、アフガン戦争の傭兵くずれのサーカス団とは名ばかりの盗賊団の一員として、アフリカ各地で陵辱と略奪と曲芸の限りを尽くして来たオレの見ている世界が、果たして本当に現実を映したものなのかどうか…。

クール・フォー・キャッツ(紙ジャケット仕様)

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