渡辺電機(株)

マンガ家・渡辺電機(株)さんの公式ブログです

あけおめー(^ω^)

911から10年、という話だが、じゃあ20年前は何だったか。私の場合は「クソゲー戦記」の連載中でござまして、これが他誌の編集さんたちが一様に驚愕したほどの安い原稿料で、月6ページでは家に食費を入れる事もままならず、苦しい戦いを強いられておりました。ある日、原稿の仕上げをしていたら担当さんから電話があり、「明日にはお渡しできますよー」と応えたら、半泣きの声で「おそいおそい〜」と叫ぶのでした。なんでも、今すぐ持って来ないとオチるとのこと。言われた〆切どおりに描いて何故こんな目に遭うのだと発狂しながらも、タクシーの車内でトーンを貼りながら市ヶ谷の編集部まで急ぎました。タクシー代は3千円ちょっとでした。トーンの山と原稿を抱えて編集部に飛び込み、机を貸してくださいッと叫ぶと、進行デスクの編集さんが「あれ電機さん、早いねえもう上がったの?」とニヤニヤする傍らで、オレの担当さんが呆然と立ち尽くしていました。何のこたぁない、進行デスクの若手編集イビリのとばっちりでした。以前、中津賢也先生にドえらい罵倒マンガを描かれてヘコんでいた時にエレベーターの中で励ましてあげたのに、死ねよこのおっさん、と思ったが、死にませんでした。後に奇跡的に連載が4本くらいに増えて忙しくなった頃に地元でバッタリ会ったら、なぜか直立不動で敬語を使われました。こんなマンガみたいな大人がおるんや、と呆れたものでした。お元気でしょうか…。

Man from Utopia

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