渡辺電機(株)

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おしっこフレグランス


本日の収穫。
曙出版バージョンの「ダメおやじ」。たしか子供の頃に2、4、6巻を持っていたので、37年ぶりくらいで4冊目を買ったことに。
肺腑をえぐるような執拗な残虐描写も、後に人生語りマンガへと達観して行く作者の作風の変化をふまえて読むと、なおいっそう薄ら寒いものがあります。いじめられる雨野ダメ助の腹黒さが、救いの無さに輪をかけています。
この8巻は表紙があまりにも秀逸ですが、内容の方はオニババが夫をイジメ続ける日常に疑問を感じ始め、人体を切り刻むような一直線のハードコア路線からの脱却が見られます。脳がシビれるような、際限ないイジメ描写でトランス状態を味わいたい方には、1〜5巻あたりをおすすめしておきます。中古価格の相場も、1冊800円するかしないか程度です。
あと、背景はフジオプロなので、絵が同時期の天才バカボンなどと全く同じです。古谷自身も赤塚名義の原稿をこなしながらの連載だったと思われます。名義は違えど、同じバンドでボーカルが違う程度の差なので、赤塚マンガと思って読んでも、けっして間違いではないと言えましょう。