官能バイオレンスの大家による渾身の自伝。主人公を三人称の「彼」にしたことで書き手が「神の視点」を得てしまい、かえって客観性を失って、いつもの通俗小説の枠に収まってしまうという皮肉な事態になっております。作中で筆者が何度も告白する文学的資質の限界が、まさにこの作品の全編を覆い尽くしていて、まぁ結果的に作者自身を含めたアートとしては完成したかなと…。
- 作者: 勝目梓
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/10/15
- メディア: 文庫
- クリック: 13回
- この商品を含むブログ (12件) を見る
痴話ゲンカを文学と言い張れる度胸はうらやましいなあ。
- 作者: 勝目梓
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2007/01
- メディア: 単行本
- クリック: 8回
- この商品を含むブログ (3件) を見る
- 作者: 浅野温惠
- 出版社/メーカー: 作品社
- 発売日: 2009/03/20
- メディア: 単行本
- クリック: 4回
- この商品を含むブログ (1件) を見る