渡辺電機(株)

マンガ家・渡辺電機(株)さんの公式ブログです

泳ぐなネッシー

官能バイオレンスの大家による渾身の自伝。主人公を三人称の「彼」にしたことで書き手が「神の視点」を得てしまい、かえって客観性を失って、いつもの通俗小説の枠に収まってしまうという皮肉な事態になっております。作中で筆者が何度も告白する文学的資質の限界が、まさにこの作品の全編を覆い尽くしていて、まぁ結果的に作者自身を含めたアートとしては完成したかなと…。

小説家 (講談社文庫)

小説家 (講談社文庫)

正直どうでもいい愛欲地獄のくだりは斜め読みしましたが、こちらも併せ読むと、もうちょっと面白くなるのかも。
痴話ゲンカを文学と言い張れる度胸はうらやましいなあ。
老醜の記

老醜の記

もう一つの告白

もう一つの告白