渡辺電機(株)

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北京の秋

現在発売中のプレイコミックでは、6月に亡くなられた名胡桃ゆう先生の遺作となった「ひょう六活人剣」の最終話が掲載されています。これは下書きまで完成していた残りを、実弟であるさだやす圭先生が仕上げるという、まさにビートルズ「フリーバード」な兄弟合作となっています。さだやす先生も忙しいでしょうに、お兄さんの弔いということで、ていねいな仕上がりです。仙人が描いたような名胡桃タッチに、いわば水と油である豪快肉食さだやすタッチが加わることで、骨の髄からの悪人が一人も出て来ない名胡桃ワールドがよりいっそう鮮明になるという、遺作にして追悼作にふさわしい仕事。水戸黄門なら「ええぃものども斬り捨てい!」となる場面で、悪人は「お主の言う通りだ」と刀を収め、主人公も「私もことを荒立てるつもりはありません」と丸く収めてしまうので、最初読んだ時はビックリしたものですが。連載初期はどうだったのだろう。