渡辺電機(株)

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影絵ちんちんの夜

なおもバーホーベン鑑賞会は続く。今度は前作「危険な愛」の発狂ヒロイン役モニク・ヴァン・デ・ヴェンが主役を務める、実在した娼婦のシンデレラストーリー「Keetje Tippel」(1975)。ルトガー・ハウアーは一歩下がって、いったんヒロインと結ばれるけど金に目がくらんで物語から消えるゲス男の役。前作と比べると尾籠な表現は抑えめだが、ヒロインが壁に映った月明かりで影絵を作って遊んでいると、そこに強姦魔の勃起したちんちんのシルエットがフェードインするなど、秀逸な描写は数多い。これ、日本版はモザイク入ってんのかな。影に。とにかく人間の醜さを表現する意欲はゲップが出るくらい横溢していて、正直疲れて2回に分けて観た。ヒロインもキュートな笑顔を浮かべるかと思うと、貧乏な親兄弟を捨てて男に走る後ろ姿の下品さなど、その振幅がハンパねえ。見たときねえ。あと、オランダが舞台だと国の狭さが画面からヒシヒシと感じられて、なんか息苦しいです。ロボコップはまだか。まだまだだ。次は「女王陛下の戦士」だ。