渡辺電機(株)

マンガ家・渡辺電機(株)さんの公式ブログです

悪魔のいけにえ4

「これがそのゴミ屋敷です!」ワイドショーのレポーターが指し示したのは明らかにおれの部屋なので、ビックリして朝食を中断、カラスの丸焼きを手に持ったまま玄関を開けた。今、画面に映っていたレポーターが、いまにもチャイムを鳴らそうとしていた手を引っ込めて悲鳴を上げる。「なんだてめえら見せもんじゃねえぞオラー」怒声を上げるおれに騒然と後ずさる撮影クルー。カラスを振り回して追い回すおれに、悲鳴を上げ右往左往で逃げ惑う野次馬。地べたに座り込んで失禁するレポーター。黒い羽が宙を舞う中、レポーターの泣き顔をカラスの丸焼きでひっぱたこうとして、それが憧れのさとう珠緒ちゅわんであることに気づき、おれは慌ててカラスを引っ込め、肉まみれの両手をケツでごしごしと拭いた。もじもじして鉄製のハンガーの先端で顔の縫い目をポリポリ掻きながら「わて、あんたのファンなんや」と言った。むりむり珠緒わかんないエヒャヒャヒャヒャヒャとけたたましく笑い、グリンと白目をむいた珠緒ちゅわんは、そのままゆっくり仰向けに倒れこみ、パンツを丸出しにして大の字にひっくり返った。はて困ったぞと抱き起こそうとした刹那、着信音。「原稿、進捗どうすか」「あ、夕方には」「じゃあ会社いますんで」「了」手短に通話を切り、路上に失禁したまま気絶している見知らぬ女は放置して、原稿に戻った。表の騒ぎも、やがて静けさを取り戻した。

ワキ毛(´ω`)黒木香より3年早いし、匂い立つ感じが…。