編集さんの思いつきでペンネームを「ゲスの極み電機(株)」に変えさせられる流れになってて、一応「露骨に便乗してて笑われると思うんすけど」と言ってみたが、「笑われてこその稼業でしょ！」「炎上大歓迎」「損して得取れっしょ」などと、ポジティブ過ぎんだろ。人の人生なんだと思ってんの。とか言うてる内にも、最新号が届いたらトビラにでかでかと新しいペンネームが載ってて、もう後に引けねえなと腹を決めたが、嘲笑どころか全く話題にもならず、名前を元に戻すタイミングも掴めないまま時は流れた。いつの間にか編集さんも退社して、連載もうやむやに自然消滅。おれ自身もバイトのつもりで始めた西友の品出しの仕事が本業になって行き、マンガのことなどすっかり忘れてつつましく社会の片隅に生き、いつどのようにして亡くなったのかも、判然としない。
