お盆なのでニュージャージーのカムデンに帰って、スラムの仲間と再会。いざりのジムがロシヤの空襲で逃げ遅れて死んだとか、ふとっちょのボブが補償金目当てに軍の強化人間に志願して、それっきり還って来なくておふくろさんが泣き暮らしているとか、悲しい知らせもチラホラ。いつも割りを食うのはおれたち黒んぼだ…。「おめえが描いてるナルトっての？あれ、おれ好きだぜ！」とウインクしてくる小人のジョージ。何か勘違いしているらしい。ありがとよ、これからも応援してくれよな！と拳を突き合わせ、日本で土方をやって稼いだなけなしの銭で、皆に一杯ずつおごってやった。翌朝、二日酔いの頭を抱えておふくろの墓参りをした。川向うのフィラデルフィアに干なめくじの行商に行って、白んぼのキャデラックに轢き殺され、お咎め無しの迷宮入りだそうだ。おふくろの小さな墓の前で、おれは泣けて泣けて仕方がなかった。
