おととい「内田の２がブッコ抜いてくる」と予想したら、パドックに現れたその馬は巨大な肉塊と化していた。それを見た男はぶるぶると頭を振り、競馬新聞上の赤丸を点けた２番にバッテンをつけようと耳に挟んだ赤鉛筆をまさぐったが、そこに挟まっていたのは赤鉛筆でも人間の指でもなく、いつの間にか背後に貼り付いてじっと機会を伺っていた音楽家・坂本龍一氏の陰茎だった。しばし人差し指と中指ではさんでじっと見つめ、ライターで灯をともしてみた。勢い良く燃え上がった教授の体は街を照らした。２年ぶりにここ福島の地に、明るさと温もりが甦ったのだった。
馬券は２をやめて10にして取りました。
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