渡辺電機(株)

マンガ家・渡辺電機(株)さんの公式ブログです

ジュニアさんヤバいっすよ

一ノ関では寝坊して7時半に飛び起き、7時45分の列車に駆け込みました。地元の高校生集団に奇異の目で見られながら駅前を全力疾走、いったい何をしておるのか。3駅先の平泉で下車、まだ店も開いていない駅前からズンズン歩き回り、得体の知れない遺跡と田んぼと民家が等間隔で並んでいる奇妙な村を満喫。源義経の陰茎を山頂に奉ってあるという陰茎山に上り始めた辺りから雨がパラつき出し、頂上の祠の中のひからびた陰茎に手を合わせ、急いで下山。途中、石段に落ちていた栗の実で足を滑らし、200mほど滑落して腰を打つなどする頃には滝のような豪雨。でっかいキノコのような樹木の木陰で雨宿りをして、小止みになった頃にフと見上げれば、それは巨大な陰茎であった。慌てて駆け出し、振り返るとそこには小さな石碑が…。義経公がお守り下さったのだろうか。

そんなこんなで街に戻って来た頃には観光客が押し寄せる時間帯となり、観光地には興味がないので中尊寺などには寄らず、再び東北本線各駅に乗車して盛岡へ…この街も38年ぶりなのだが、さすがに以前の記憶はない。洗練された良い街なのではないか。美味いともマズイとも言いがたいじゃじゃ麺を食い、いわて銀河鉄道にてさらに北上。奥中山高原駅で降りて駅周辺数キロを一周してみたが、高原とは言っても観光地でもなんでもない、畑しかない丘陵地帯で、人工的に景観を作り出した美瑛の丘よりも全然ナチュラルに無愛想で、非常によろしかった。アドレナリンが出まくった。強烈に勃起してオナニーを始めようとした刹那、視線を感じて振り向くと、坂の上に巨大な陰茎の影が…。慌てて駅に戻り、さらに北へ。

八戸と盛岡を結ぶこの路線、JRも廃止するまでもないのでは?と思っていたが、実際に乗ってみると、ローカル線としての味わいが微妙に乏しく、なかなか売り方が難しいのかもしれない。次に降りた座敷童の里こと金田一温泉駅は、本来車で行く処らしく、温泉までは2km以上も人気のない田園地帯をトボトボ歩かねばならず、またしても大興奮。温泉センターの大浴場に降りた頃には怒張がMAXに達しており、温泉でくつろいでいた地元民たちが蜘蛛の子を散らすように退出してしまった。

しかしこんな山間に近代的な温泉施設が林立して、普通に勤務しているひとたちがいるというのは不思議だ。まさか、きつね。そう思った瞬間に背筋が寒くなり、一度も振り返ることなく急ぎ足で元来た道を急いだ。が、歩いても歩いても…などということもなく、無事に駅からさらに北上し、八戸に着いた頃には真っ暗になっていた。そこらでメシを済ませ、フェリー乗り場へ。だが、おれと同じ2等船室には、一個小隊単位の自衛隊員の群れとダンプの運転手たち。阿鼻叫喚のイビキ地獄と体臭ガスの中、おれの隣に場所を占めた唯一の若い女性の、背中を向けた寝姿のシルエットをぼんやり見ているうちに、いつしか眠りへ…そのシルエットは、巨大な陰茎を思わせた。そして船は暗い海をさらに北へ。
これでまだ旅の半分。すでに遠い記憶で、今週の出来事とは思えんな。

魅惑の東北ローカル線 乗車&撮影ガイド 北東北編

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