「メガバカ」第２話

あばしり五エ門のモデルが石川賢先生だったというのは、ちょっと胸が熱くなる話ですね。「寝なくても平気」で「描いちゃえばなんとかなる」のは、やはり豪先生が超人だったからで、我々普通の人間は決してマネをしてはいけません。20代の頃に寝なかった仲間の大半は、大きな病気をしたり亡くなったりしていますし、よく考えずに描き飛ばして「おれって天才じゃん！」と喚いていた仲間も、信用をなくして田舎に帰ったり、自殺したりしています。おれが生き残ったんや、おれが勝者や！と絶叫した貧しい中年男は、口の中から古ぼけたパソコンのCRTモニタに飛び散った腐ったバナナの小片を、あわてて直接口をつけて吸い取るのだった。裸電球が、静かに揺れてゐた。

Disco & the Halfway to

激マン! 1 (ニチブンコミックス)