渡辺電機(株)

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究極タイガーのサントラになぜワードナの森が?

おれがなめくじが全くダメになった原点は、幼稚園児の頃に医者の待合室で読んだ漫画「赤いなめくじ」だと思う。殺し屋がなめくじに触ってしまったのが原因で、体がだんだんなめくじ化してしまうという、気の狂った作品だった。なめくじのついてるドアノブを握って「うっ」と呻いて指先で弾き飛ばし、「な、ナメクジだっ」と呟く場面や、ぐにゃぐにゃに変形して行く指を見て「こ、これではピストルも持てない」とほざくマヌケな場面、ビルの壁をズルズルと這い上って行く眼下で人々がざわついている場面、どれも鮮烈に覚えている。で、それが後の雇い主である石ノ森章太郎が1957年「ぼくら」増刊号に発表した短編だったことを、近年ネットを通じて知った。あのアフロのしわざか。過去に一度も単行本には入っていないらしいので、あの本はずいぶん長いこと待合室に置いてあったのだろう。全集かなんかに入っていないのだろうか。あれには決着を付けねばならない気がしている。そうすれば、なめくじも食えるようになると思うんだ。

From the Tea-rooms of Mars

From the Tea-rooms of Mars