朝起きて、床一面が黒く輝くゴキブリで埋め尽くされていたので、ちょっとためらったが、結局尿意には勝てず、思い切ってベッドから足を踏み出した。すると、悪臭を放つおれの足が着地する所だけ、クモの子を散らすようにゴキブリが逃げ惑って道を開けるので、そのまま無事にゴキを踏みつぶすことも無くトイレにたどり着いて心行くまで放尿した。トイレから出ると、ゴキブリは一匹残らず姿を消しており、ベッドから点々と続くおれの足跡だけが、粘り気を帯びたおれの体液の放つ紫色の湯気を立ち上らせてゴボゴボと泡立っていた。
今見ると、なんかビーバップみのる監督に似てる。
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