渡辺電機(株)

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SFマガジン1977年11月号に掲載されたまま単行本未収録となっている、山尾悠子の短編「ワンス・アポン・ナ・サマータイム」を読みました。本当はガキの時分にリアルタイムで読もうとしたのですが、あの硬質な文体に阻まれチンプンカンプンで挫折していたのです。
、で、ようやくリベンジと相成ったワケですが。たしかにややムリしてる感のあるSF設定と、冒頭部分あたりの若書きの美文調が気にならなくは無いものの、山尾ファンなら一読してそれと判る、おなじみのスタイリッシュな佳品でした。なんで封印したんだろう、と読み進めて行くと、最終ページにそれまでの感動を吹き飛ばすような誤植が…。意味は通じるものの、蛍原「はい?」宮迫「そこで噛んだらアカンやん」という声が聞こえて来るような間抜けなインパクトがあり、もしかしたらこれも原因の一つかも…と、思うのでした。

夢の遠近法 山尾悠子初期作品選

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