自分の葬式を趣味で固めたいという気持ちはオタクなら誰でも一度はもつのだろうが、悲しみに暮れる親類縁者を大コスプレ大会や内臓飛び交うギグに巻き込むのは、やはり死んで行く者の態度としては身勝手のそしりを免れまい。オレも本当は読経の代りに大音量でスパークスが鳴り響く葬式をできるものならやりたいが、今死んだとして、悲しむ親兄弟にそんな追い討ちはかけられない。現実的な妥協点として、通夜・法要を常識に則って粛々と進め、火葬場で点火の瞬間に大音量で「太陽を盗んだ男」メインテーマの「サンライズ」が鳴り響くというのを考えている。いや、普通に泣けると思うんですが…と思ったが、実際にはオレを嫌っていた同業者、編集、知人たちによる弾けるような嘲笑が巻き起こった。また成仏できなかった。
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