渡辺電機(株)

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痔瘻物語

スパークス伝記本はやっと1977年。パティ・スミスに陰湿な嫌がらせをされたり、パンクスたちから大ブーイングを受けたりと荒っぽい全米ツアーを終えた後、次のアルバムのプロデュースを依頼した大物ボブ・エズリンは、コンサートを見て「あれ、A面の曲はやんないの?」と侮蔑の言葉を吐き、去って行きました。また、テリー・メルチャー人脈のドラマーでもあるロードマネージャーは、徹底的にスパークスを嫌っていやいや仕事をしていたそうで、とにかく70年代アメリカのロックシーンには彼らの居場所はなかったようです。
そういえばテリー・メルチャーといえばドリス・デイの息子なわけですが、スパークスがデビュー当時のウソのプロフィールでドリス・デイの息子と称していたのも、その一派に嫌われる要因だったのではないでしょうか。
そして、かつてチャールズ・マンソンが、テリー・メルチャーのオーディションを受けながら歌手デビューが叶わなかったことを根に持って、彼の家を襲撃したという話も有名ですが、そのときメルチャーの引っ越した後に住んでいて被害を受けたシャロン・テートの夫・ロマン・ポランスキーといえば、スパークスのラッセルが映画を学んでいた頃に非常に影響を受けた人物です。なんとなくつながった。

フリーウェイ

フリーウェイ

で、その憎っくきロードマネージャーのジム・サイターがタイコを叩いている、テリー・メルチャーが79年に出した作品。ビーチボーイズでの仕事でも光っていた美しいコーラスがテンコ盛りの、良質なさわやかアメリカンポップス。が、なぜかロンドン録音で、危うくゆるいポップスになる所を終始イイ感じに引き締めるサックスは、メル・コリンズ。