友人宅のあるマンションの管理人が元花籠部屋の幕内力士若駒健三だと知り、さっそく訪ねてみた。彼は手伝いを一人呼んで作画作業中で、なんと今でも管理人をしながら細々とマンガを描き続けている事が判明。部屋に上げてもらい、原稿を見せてもらいながら「花籠七若」と謳われた頃の事など色々と昔話を聞くが、やはり落魄の身になるのもむべなるかなと思わせるだらしなさが随所に見られ、しまいには酔ったフリをして横たわり、挑発的に裸の尻をこちらに向けて来るので、早々に退出。その絡み付くようなネットリした好意に、今後のストーカー化を確信。巨大エレベーターの中で、下半身裸で仁王立ちしたままウンザリした所で目が覚めた。
- 作者: 島尾敏雄
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 1992/01
- メディア: 文庫
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