マンガをあきらめて1年余。いつまでも自分の単行本を大事に貯め込んでいるのも、何か過去の栄光に未練があるようでみっともないので、すべて本棚から抜き取って、店の待合室の棚に寄贈した。閉店後、新人の多田君が掃除をしながら何かぼやいているので聞いてみると、客が勝手にいらないマンガを持ち込んで待合室に捨てて行くので迷惑だとこぼしていた。オレの人生を凝縮した大切な作品の数々が、客の汚らしい精子を拭き取ったティッシュや生理用品に混じって袋詰めされていた。
- 作者: 岩永文夫
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2009/03
- メディア: 新書
- 購入: 1人 クリック: 9回
- この商品を含むブログ (12件) を見る