ようよう売れっ子!などとはやし立てながら、森見登美彦を初めて読んだ。きつねの本に出て来る先輩の話、大学生にとっての「先輩」という謎に包まれた生き物の虚実を上手く描いていて、感心しました。あいつら、18、19のガキにとっては不思議な大人なんだよな。
コレ読んで思い出したのは、大学の部活ではなくて10年前にたまたま同席させていただいた、SF批評関係の偉い人たちの飲み会。大森さんとか。今考えたらオレより若い人も多かったんですが、彼らの醸し出す空気が、まさに「SF研の1年生から見た、部室で語らう先輩たち」そのもので、オレは十代終わりのタバコの煙漂う狭い部屋の記憶が甦って、懐かしさと諸々の感情が入り交じって軽いパニックに陥った。パニックに陥って、とりあえず唯一「部室」っぽくない、デザイン事務所のバイトの女の子にガッついてました。その子はほどなくガーナ人と結婚し、オレは監獄へ送られ、独房の壁一面にマンガ界への恨みを彫りつける復讐鬼と化したのであった。
- 作者: 森見登美彦
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/10/28
- メディア: 単行本
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