渡辺電機(株)

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故郷の父親が訪ねて来たとき、自分は偶々庭先でアジの開きを干している処だった。すると父親ははやくも獣の顔をしてはぁはぁ言いながら舌を長く垂らし、涎の糸を引いていた。そう、父は戦前に狢に食われて死んでしまっていたのだ。「こらっ」と一喝してやると、父親はぴょんと高く飛び上がったかと思うと脱兎のごとく逃げ出し、玄関先の落とし穴にはまってもがいているところを串刺しにした。