渡辺電機(株)

マンガ家・渡辺電機(株)さんの公式ブログです

地獄の軍団

援交にしろ風俗にしろ、下心を抱いて会う相手が、ことごとく横綱白鵬の変装なので、さすがに自分の精神疾患を疑い始め、クリニックへ。しずかな待合室に飾られた、例のヴェルヴェット・アンダーグラウンドのバナナジャケのポスターをじっと眺めていると、バナナが「電機さんこないだのコミティアで*****、**」と、白鵬の声で話しかけて来る。あー。別にいいんだけど、診察の間は黙ってて下さいよ。まあでも、先生もアレなんだろうな。と半ば諦めつつ、まだ呼ばれていないが構わず診察室に入ると、手錠をかけられ青あざだらけのピーター・バラカンが、床の血溜まりに横たわっておれを見上げていた。ニ・ゲ・テ。喉を潰されたのか、パクパクと口の動きでおれに伝えてきたバラカンの顔が、背後から振り降ろされた象の足に潰され、血の飛沫が弧を描いておれの靴を濡らした。象の背中から差し出された白鵬の大きな手の柔らかな温もりが、これが夢ではない現実の出来事であることを、物語っていた。天竺への旅が、始まった。

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王家の呪い

ツタンカーメンの面を面白半分にかぶったら外れなくなってしまったので、そのまま日々の暮らしを送っているが、やはり王様ということで町の人達も何くれとなく親切にしてくれて、まァこれはこれで悪くない。呪いもマスターしたし。今日も仲良くなった芸人「おぎやはぎ」のメガネの方に連れられてキャバクラに繰り出し、おっぱい触らせないと呪っちゃうぞー!などとはしゃいでいたら、バカモーン!と天空から大声で怒られ、ナイルの洪水が東京を押し流し、おれはピラミッドに閉じ込められて今も冬コミ合わせの原稿を描かされている。

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おれがあいつであいつがおれで

3日連続で横綱を破り、一気に優勝候補の最右翼に躍り出た大関稀勢の里が支度部屋に引き上げてくる後ろ姿に、白鵬は異様のものを感じて、思わず二度見した。足が、動いていない。下半身を微動だにさせないまま、空中を滑るように移動して、支度部屋の奥に陣取った稀勢の里に、白鵬はもしやと思い、さり気ない声で尋ねた。「電機さん、冬コミどうすんスか」「あー抽選落ちちゃいましたからねえ、誰かチケ譲ってくんないすかねえ?」なめらかに答えてから、ハッと固まった大関だったが、その声は聞き違えようも無かった。渡辺電機(株)さんに代役を頼んだ大関は協会からキツイお叱りを受けたが、この不祥事が明るみに出ることはなく、白鵬も何の取引があったのか、この件を他言することは無かったという。

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ネットケンカ最強烈伝

唐草模様の刺青を全身に彫り、六尺褌一丁でさっそうとトランプ×安倍会談の行われるトランプ邸に現れた渡辺電機(株)さんは、その奇矯な風体を誰何されることもなく、問答無用でハチの巣にされた。遺骸はトランプタワーのダストシュートに無造作に投げ込まれ、NYのカラスのエサになった。そのころ日本では、大関稀勢の里が横綱鶴竜を破り、優勝戦線に一縷の望みをつないでいたという…。

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渚にて

ある日のアクアマリンふくしまの入場者数と退場者数が合わず、誰か一人館内に残っているのでは、肉食の大型魚の水槽に落ちてしまったのでは、などとちょっとした騒ぎになったが、いなくなったのが例の渡辺電機(株)さんらしいと判明するに及び、なんだあいつかと騒ぎは沈静化していった。翌春、ダイオウイカの水槽のガラスにびっしりと産み付けられたタマゴの中で蠢くイカの幼生は、誰もが予想した通り渡辺電機(株)さんの顔をしていた。

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仮面の忍者渡辺

忍法火遁の術!トウッ!そう絶叫してしゃがみこみ、ライターの火を灯して掲げて隠れたつもりになっている渡辺電機(株)さんを、卍党忍者の面々は哀しい思いを抱きながら、見つめていた。この人、こんなんなってしもたんや…。ススキを撫でる風の音におそるおそる顔を上げた渡辺電機(株)さんは、辺りに誰もいなくなっていることに気づくと、ヒャッと小さな声を上げ、その場に尻餅をついてショロショロと失禁し始めた。か、勝ったど。わいの勝ちや!立ち上がると、ぽたぽた尿が垂れるのも構わず駆け出した。思い知ったか卍党のドアホー!爆笑して拳を振り回しながら、トプンと小さな飛沫を上げて沼に落ち、それきり浮かんでこなかった。戦国の世が、終わろうとしていた。

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Yahoo知恵袋

座禅ぼういずというグループ、あきれたぼういずの系譜を継ぐコント音楽ユニットで、おそらく全員坊主頭に袈裟をまとった僧侶のかっこうで、仏教コントやお経の替え歌で笑いを取るのだろうと思ってブッキングしたら、客のお年寄りが何人も死にました。責任はグループとわたし、どちらが取るべきでしょうか?

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