渡辺電機(株)

マンガ家・渡辺電機(株)さんの公式ブログです

おれたちの霊言

恥知らずは無敵だな…!世間の批判にもビクともしない大川隆法の故人コントを見て確信を深めたおれは、アニエスベーのピッチピチの黒タートルに下はフルチンという格好で、最強王者ゲンナジー・ゴロフキンとのWBC世界ミドル級タイトルマッチに臨んだ。チンポに靴下を装着した以外は全裸の王者は、おれの下半身を一瞥しただけでマユ一つ動かさず、開始のゴングと同時に正確なパンチを、おれのみぞおちに叩き込んだ。で、気がついたらここ、天国にいるってワケ。ようするにデキスギ君って事じゃねぇかよ……。(聞き書き:大川隆法)

続きを読む

身体とうんこだけの関係

尊皇派の浪士に討たれてこの世を去った渡辺電機(株)さんの、今日は150回忌である。さすがに生前の彼を知る者もなく、何の催しも行われず静かに過ぎていくかと思われた春の日だったが、渡辺電機(株)さんは甦った。ほたえなっ!絶叫しながら渋谷ハチ公前の交差点に突如出現した、黒い着物にブーツを履いた渡辺電機(株)さんは、土地柄もあって特に注目を浴びることもなく、HMVでブラーのNew12"を買い、まんがの森でアメコミを少し物色、マクドナルドでいちごシェイクを買い求め、ちゅうちゅうすすりながら明治通りを原宿方面へそぞろ歩く途上、またしても覆面をした尊皇派の武士に取り囲まれ、メッタ斬りにされて死んだ。

続きを読む

墨汁一滴

中国の珍味・猿の脳みその食い過ぎで猿になってしまった渡辺電機(株)さんを探しに中国に渡った取材陣は、妙にマンガが上手い猿がいるとの情報を得て、直ちに福建省・泰寧県の山奥に向かった。彼らがそこで見たものは、いったい…?というプロットを立てて編集さんに見せたが、まずお前は全然マンガが上手くないから話に矛盾がある、それに猿の脳みそ業者からクレームが来るので、設定自体が使えないと指摘され、没にされた。エッセイ漫画、実際にやってみると難しいものですね。

続きを読む

白日夢

コミケも前の代表の頃はレイシズムが今ほど問題視されてなくて、黒人サークルだけ屋外に仮設テントを出してテーブルを並べていたり、今考えるとゾッとするほど差別的でした。ほんと、いい時代になりましたよ。感慨深げにそう話す横綱白鵬も、モンゴル人への偏見と戦いながら今日の地位を築き上げた、苦労人なのだ。そうそう、そうなのよ。やっぱ電機さんわかってるよなあ、へへへ…。と、お尻に伸ばしてくる横綱の手の甲を思い切りつねり、オホホホ捕まえてごらんなさいと軽やかに笑って身をかわす渡辺電機(株)さんは、相変わらず垢まみれの不潔なホームレス姿で、彼にだけ見える横綱と戯れながら、嬌声を上げてどこかへ走り去ってしまった。

続きを読む

コミケを支えて40年

「鬼が棲む」と言われ、立ち寄る人も無く荒れ果てた無人のコミケに、長い間コツコツと参加し続け人々の理解を得て、今日の発展を築き上げた業績を「うそ」と一生に付されては、さすがに温厚な電機さんも怒っちゃうよ?そう言って子供用なわとびをヒュンヒュン振り回しながらスタッフに詰め寄った渡辺電機(株)さんだが、「じゃあちょっと米澤さんの霊に聞いてみますわ」とスタッフがその場で護摩を焚き始めると、急に態度を一変させオロオロし出した。いやその、そんな別におれはさ、そんな。しどろもどろになり、煙がもくもくと人の形を取り始めるに及んで、あひゃぁと泣き声をもらしてモノスゴいスピードで走り去った。はるか遠くの方で「おぼえてろっ」と声がしたと同時にドンと衝撃音があり、トラックに跳ね飛ばされた渡辺電機(株)さんの身体が、有明の海に飛んで行くのが、小さく見えた。

続きを読む

撃つな!アラシ

只見町あたりは観光に力を入れていて、それなりに活気もあるんだけど、やはり沿線の地味な駅の周辺はゆっくりと衰えていってるようで、できたての廃屋がやたら多かったし、かつて住民の憩いの地だったはずの新しい公園が、早くも草木に埋もれて消失しかかっていたり、あの崩落の影響はジワジワ来てるよ電機さん!興奮してなおも話し続ける横綱白鵬が、誰にも気づかれずに青春18きっぷで只見線を回ってきたのも驚異だが、アンタ膝を痛めて歩くのも一苦労だったんじゃねえのかよ。そう問い詰めると、ぷうっと口を尖らせ、だってそうでも言わないと休ませてくんないじゃん!もう知らない!と、突き飛ばしたおれの体は吹っ飛んで天井を突き破り、上の階で美女とベッドインしていた井上順がハレーッ!とずっこけている横で、頚椎と頭蓋骨を破砕されひしゃげた頭部から血を噴き出し、ケイレンしていた。

続きを読む

浮気なバカンス

かつて初代ボーカリストが一枚噛んだ「偽ディープ・パープル事件」は有名だが、おれが白鵬や村西とおると仕組んだ偽YMOは、あれから3年経つ今になっても、誰も気づかないのだから、まあ要はやり方ひとつってことだ。もしかしたら客は薄々気づきながら、本物であって欲しいという願いから、その疑念を押し殺して観ていたのかもしれない。こんな、デブやオッサンのトリオがラジカセからテクノポリスとかを流して雑談しているのが、本物のYMOのワケねえのにな…。フジのグリーンステージの大トリはさすがにヤバいと思ったが、まさかの大盛り上がりで、すっかり本家も霞んでしまい、少し後のワールドハピネスとかいうイベントに出た本家が、客が怒って袋叩きにされたという話だ。申し訳ないが、これが実力の世界というやつだ…。

続きを読む