渡辺電機(株)

マンガ家・渡辺電機(株)さんの公式ブログです

風と木の詩

初夏のギムナジウムに転入してきた金髪の美少年エドガーは、どう見ても横綱の変装としか思えなかったので、風紀委員の渡辺電機(株)さんの号令のもと、ぶつかり稽古に名を借りた凄惨な「可愛がり」が行われた。得意の相撲の稽古となればすぐその気になって「もう一丁」の声が出るだろうと思いきや、エドガーは「メリーベル」とつぶやいて、あっけなく死んでしまった。あれー?おっかしいなあ…。首を傾げてつまみ上げた死骸は、ヌケガラだった。なンだァ?バサバサという羽音に稽古場の天井を見上げると、エドガーの顔をした巨大なジガバチが止まっていた。ギムナジウムに響く、渡辺電機(株)さんの苦悶の絶叫。ケツからジガバチの卵を産み付けられた渡辺電機(株)さんは、残された寿命をせめて面白おかしく生きたいと、酒、女、博打に耽ったが、死ぬどころかソムリエの資格を取得し、ホストクラブの経営者に上り詰め、競馬から株までギャンブルは全て的中、ジガバチの卵を埋め込んだまま、2万年の命を全うした。人類滅亡後は孤独のあまり発狂。人生の後半は理性を失い、ただの動物として過ごしていたらしい(横綱談)。

ドリトル

ドリトル