渡辺電機(株)

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黄金プレイ自然便 (要事前予約)

フェリーの中で目覚めたのが午前4時。雑魚寝していた自衛隊員たちが全員正座しておれが目覚めるのを待っていた。「他の者は」「始末しました」「ご苦労だったな」などということもなく、窓の外の暗い海をチラ見してゾッとした後は、運ちゃんと自衛隊員たちのイビキ大合唱に囲まれながら、正座して読書してゐました。

午前6時に苫小牧の港に到着、ここから5キロ先の苫小牧駅まではみなタクシーで行くのだが、おれは知らない街を歩くのがオナニーよりも好きなので、徒歩で1時間弱かけて駅前へ。おそらく再開発後間もないのであろう、アカ抜けた町並みである。が、複合商業施設メガドンキを爆破すれば、征服できそう。ここから各駅停車しか走っていない恐怖の日高本線に乗り、東へ。同乗者の大半はカメラを手にした鉄ヲタのおっさん。窓外に荒野と海と馬しかないという、路線自体が秘境の路線を2時間ほど乗り続け、降りたのが絵笛という小さな駅。駅から見下ろす駅前メインストリートはこんな感じ。

駅前通りを歩く観光客に絡み、因縁を吹っかける地元の若者たち。

見渡す限りこんな感じ。人間はまったく見かけなかったので、たぶん死に絶えたか、馬に追い出されて他所の土地に移ったものと思われる。川の土手にヤギの群れがいたが、いくらなんでも野生ということはないと思う…。東京のカラスの代わりに、タカが飛んでいた。見渡す限りの牧草地帯で、小屋どころか木陰すらもない青空の下で待つこと2時間、やっと帰りの列車がやってきたので乗り込んだら、行きの車中で窓外の写真を撮りまくっていた鉄ヲタおじさんたちが、そっくりそのまま乗って、行きとまったく同じ行動を繰り返していた。思い切って「良い写真撮れましたか?」と話しかけたが、首だけクルリとこちらに向け「鉄ルルルゲ」と呟き、また元の動きに戻ってしまった。車内に、人間はおれだけだったのだ。

その後は札幌へ行き、知人とめしを食い、寝ました。

北海道のんびり鉄道旅

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