おかっぱのカツラを被り、ミック・タルボットそっくりさん芸人と二人で勝手にスタイル・カウンシルを名乗り、バレる恐れのある欧州圏は避け、南米やオセアニアを中心にツアーを組んで荒稼ぎしていた渡辺電機(株)さんだったが、ホンジュラスの首都テグシガルパの海水浴場の海の家ステージで、事件は起きた。偶々愛人を伴ってお忍びでバカンスを楽しんでいたポール・ウェラーが、その場に居合わせたのだった。自分に変装して、ラジカセのカラオケをバックに稚拙な唄をうたう渡辺電機(株)さんめがけて、スコップを振り上げ怒声を発しながら駆け寄る白髪のおかっぱ白人は、現地の警備員に取り押さえられ、本人であるにもかかわらず、ポール・ウェラーの偽者として袋叩きにされ、ちんちんにザ・ジャムのドーナツ盤を何枚もはめ込まれ、全裸で往来に縛り付けられた。騒ぎが大きくなり引っ込みがつかなくなった渡辺電機(株)さんはその後もポール・ウェラーとして暮らし、必要に迫られて楽器や唄も上達、今では誰もが彼を本人と信じて疑わず、当人も渡辺電機(株)だった頃の記憶は、殆ど残っていないらしい。一方で本物のポール・ウェラーは、今もテグシガルパの路上に全裸で縛り付けられたままシステムエンジニアの職を得て、新たに家庭も持ち、平穏に暮らしているという。
スペインのザ・クラッシュ。と、呼ばれていたかどうかは知らないが、音も映像もかっこいい。シビれるね…（´ω｀）
