渡辺電機(株)

マンガ家・渡辺電機(株)さんの公式ブログです

パラサイト

スルメのように全身粉を吹いて干からびて死んでいた渡辺電機(株)さんの亡骸を、稽古上がりの横綱が見つけた時には、近所の子供たちが遠巻きに取り囲んでつつき回し、ミイラだミイラだと大騒ぎになっていた。こらぁ、やめんかガキどもが。横綱の怒声に一斉に振り返った子供たちの目は、虹彩が横長の爬虫類の眼だった。耳まで裂けた大きな口で、長い舌をチラつかせてゲラゲラ笑う子供たちは、躍り掛かった横綱から蜘蛛の子を散らすように素早く逃げ回った。クソッ爬虫人類め!核搭載の大銀杏ミサイルを発射しようと構えた横綱の背後から、空気を切り裂いて幾筋ものコウガイビルが伸び、子供たちを撃ち落とす。振り返ると、仁王立ちした渡辺電機(株)さんのミイラの口から、何匹ものコウガイビルが伸びて、子供たちの背に深々と突き刺さっていた。横綱、核ミサイルは最後の手段だぜ。ニヤリと笑ったミイラが軽くて手を振ると、背中を突き刺された子供たちが一斉にピクンと同じ方向に跳ねた。よし、寄生完了。満足げに微笑んだ渡辺電機(株)さんのミイラは、ばさばさと崩れ落ち、粉になって四散した。春には、寄生された子供たちの腹を食い破って何万匹という渡辺電機(株)さんの幼生が孵り世界を滅ぼすことになるが、何も知らない横綱は、ただ呆然と見守るばかりだった。

当時も今も、これ本当にかっこいいのかなあ…?と、ずっとモヤモヤしています。

Bring The Noise by Anthrax

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