渡辺電機(株)

マンガ家・渡辺電機(株)さんの公式ブログです

モスラ対ゴジラ

西荻窪駅南口にポルノ映画館があった頃、渡辺電機(株)さんは女のはだかを見たい一心で、経験があるとウソをつき、映写技師の職を得ようと履歴書を手に訪れたが、入り口にズラリと並んだ女人の肌脱ぎ写真を載せた立て看板に興奮、鼻血を噴いてその場に昏倒した。我に返ると、仰向けで自らの血溜まりの中に倒れている渡辺電機(株)さんを、しゃがんで覗き込む老人があった。名を、川端康成。かの文豪がなぜこのような場末のポルノ映画館にいるのか、そして渡辺電機(株)さんに何の用か。身長20cmほどの川端は、二人いた。そして声を揃え、玉子を返してください。と、透き通る高い二重の声で、言った。渡辺電機(株)さんがインファント島から持ち帰った玉子を、取り戻しに来たのである。返すもんかよバカヤ朗!せっかく手に入れたハクネタだぜ。こいつで一山当ててやるンだ!そう啖呵を切りつつ、ハッハーン、これは夢だな…と、冷静に考える自分が、いた。二人の川端康成も周囲の野次馬ものっぺらぼうの顔で、薄闇の中でゆらゆら揺れている。ああ、まだポルノ映画を観れていないのに目が覚めてしまうなあ。そう考えながら、窓の外で巨大な玉子の殻にゆっくりとヒビが入りだす音を、聞いていた。

極悪人が妻の愛人を殺したら、その死体を焼いて食わされるハメになり、震える手でナイフでちんぽを切ろうとしてげろを吐く(うろおぼえ)映画なので、良い映画です。音楽もさいこうです。

Cook the Thief His Wife & Her Lover

Cook the Thief His Wife & Her Lover