渡辺電機(株)

マンガ家・渡辺電機(株)さんの公式ブログです

殺人酋長ジェロニモ

稽古場の隅に丸まっていた毛の塊を、なんじゃこりゃとつま先で触れてみて、横綱はヒヤッと悲鳴をあげた。どうせ高安の体毛が抜けて毛玉になってのだろうと思ったそれは、長い毛に覆われた柔らかく暖かい、湿った生き物だった。なんだ、生きてんじゃん!高安の毛かと思って踏み潰すとこだったよ。いや、おれの毛っす。声に振り返ると、あの毛深い高安が全身ツルツルのパイパンで、頭髪も眉毛もない、すべすべの丸い塊と化して、立っていた。おれの毛を、渡辺電機(株)さんに植毛したんです。今やつるんとした丸いすべすべの物体となった高安の姿に激しく欲情した横綱は、高安の言葉が終わらないうちに、鼻息荒くのしかかって行った。背後で、毛の塊となった渡辺電機(株)さんが、毛をわさわさと逆立てて身を揺らし、そしてまた静かになった。

おれは「明石家さんまが歌っているようにしか聞こえない」点に注目していましたが、本国では度を越したナルシストっぷりが、茶の間の笑いものになっていたらしいです。

Forever Now

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