おい猿！と呼ばれて、ニックネームで呼び合うとはフランクな仲になったものよ…と、感慨にふけりながら、何だいうつけ！と返したら、エライ剣幕でキレられて、打ち首申しつかったでござる。ほな、どないせえゆうね。こうして過去は改変され、歴史は変わった。徳川415年の治世は日本のみならず、亜細亜はもとより遠くえげれす、めりけん、おろしや、をらんだ、渡辺電機(株)にまで至った。そして416年目。渡辺電機(株)の乱である。新たな歴史の夜明けが、西荻窪駅ガード下のブルーシートハウスで、始まった。苦しゅうない。歯のない口で笑う渡辺電機(株)さんはもう何日も何も食べていなかったが、幸せだった。よきにはからえ…。意識が白い光に包まれ、天使が降りてくるのを見上げながら、初代将軍職の抱負に想いをはせながら、死んだ。肉体は薄汚れてボロボロでも、心は最期まで美しく清らかだった。
元ハードコアポルノ女優の奥さんに、虚弱そうなギタリストの旦那さん（ほとんど出てこない）のデュオ。旦那さんが早死にしてしまったの、やっぱ下世話な勘ぐりをしてしまいますね。人肉を食い散らかしてそうな奥さんのドギツいパフォーマンスも、妄想に輪をかけます。
