渡辺電機(株)

マンガ家・渡辺電機(株)さんの公式ブログです

おれの血は他人の血

えすくれめんとお!怒りの火柱が、渡辺電機(株)さんの身体を突き抜ける!泣きながら両手を振り回し、渡辺電機(株)さんの大事なああっ女神さま!の缶ペンケースを持って教室を逃げ回る力士たちを追いかけ回す姿は、とても一国の宰相の姿とは思えなかった。捕まると見せかけて他の力士にパスして舌を出す力士たち。泣きすぎてえづく渡辺電機(株)さんを囃し立てる力士たちが、突如声もあげずにバタバタと倒れる。"気"を放って絶命させた力士の死骸を踏みつけながら、横綱白鵬が恭しく渡辺電機(株)さんのもとへ歩み寄る。総理、戦争のお時間です。あっそ。短く返事をして立ち上がり、横綱の手のひらに置かれた赤いボタンを躊躇なく押すと、地平線の向こうに閃光がきらめき、ゆっくりとキノコ雲が立ち上るとともに、かすかな地響きが、熱いそよ風に乗って聞こえてきた。またひとつ、国が滅んだな…。無言で地平線を見つめる横綱の、大陸の故郷にはせる思いが、渡辺電機(株)さんの無邪気な万歳三唱にかき消された。なにがあっても、おれはこの人について行くと決めたのだ。横綱は決意を胸に、力士たちの死骸を池のコイに与えるため、解体の作業に取り掛かった。

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