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渡辺電機(株)

マンガ家・渡辺電機(株)さんの公式ブログです

源蔵じいの思い出

幼いころ、源蔵じいの腕に抱かれて、奇妙な節回しの子守唄や、恐ろしい昔話を聴かされた記憶は、なんとなく今でも残っているが、まさか今も健在で、コス板でレイヤーさんに粘着する常連として、忌み嫌われていたとは、知らなかった。おれの幼少期に80を越えていた源蔵じいが、今もこの世にいること自体が信じられなかったが、とにもかくにも放っておくわけにも行かず、目撃情報の多いコスホリの、会場のガーデンシティ品川の外まで長く伸びた一般列を、一人ひとり顔を見て、探していくことにした。一般客は全員、明らかに100歳を越えた老人ばかりだった。どういうことだ。中には明らかに死んでいて、顔半分が溶けかかった者や、完全に骸骨になった者もいる。ぼっちゃん、こっちに来なすったか。振り返ると、80年代アイオタ風のオタクファッションに身を包んだ源蔵じいが、生きていた頃には見せたこともない晴れやかな笑顔で、立っていた。生きていた頃?自分の言葉に我に返って思わず手を見ると、左手首の深い傷はすでに乾き切り、乾いた血のこびりついた指は、古い蝋燭のように青白く硬直していた。

セカンドハンド・デイライト

セカンドハンド・デイライト