永続革命宣言

かつて電気グルーブのお二人が、新作を録る合宿中にどうしても歌詞がうまくハマらず、考えが煮詰まってグダグダになった挙句、とうとう頭のなかに「トロフィー」という単語しか浮かばなくなってしまったというエピソードがあるが、そのトロフィーという単語すらも思い浮かばず、ついに作詞の道で才能を開花させることもなく表舞台を去った渡辺電機(株)さんの無念を思うとき、人は居住まいを正さずにはおれまい。今では故郷にひきこもり、まいばすけっとで50円高い方のバナナを買って甘さに頬をほころばせたり、場外馬券売り場で馬券を買う金もないのにゴールの瞬間「よっしゃー万券いただきい」と絶叫、指を鳴らして鼻息荒く歩み去るパフォーマンスをしたり、器に見合ったささやかな余生を送ったとのことである。

Thousands On A Raft