昔うちでアシスタントをしていた男が、ダンスをやると言って辞めていったのが、もう20年前のこと。どうやらEXILEの中の誰かがそいつらしいのだが、見た目も変わっていて、TVの画面で見てもよく判らなかった。なので、先日赤坂ブリッツの裏の駐車場の真ん中で大便をしていたら、目の前にEXILEのツアーバスが止まった時は、しゃがんでモリモリと脱糞しながら、興奮のあまりホウと甲高く叫んでしまった。これならあいつも見分けられるぞ。バスの乗降口がおれの正面で開き、なおも脱糞が止まらずしゃがんだままのおれめがけ、EXILEのメンバーが一列に並んでぞろぞろと向かってきた。お揃いのファッションに、お揃いの靴。全員、寸分たがわぬ同じ顔をしていた。おれをぐるりと取り囲んだEXILEが、一斉に言葉を発した。「電機さん、お久しぶりです」「おまえか」「おれはおれたちで、おれたちはおれなんです」見事なハーモニーで紡ぎ出される彼の言葉に魅了されたおれは、吸い込まれるようにツアーバスに乗り込んだ。大便の山を残して走り去ったツアーバスとともに、EXILEもおれも、それきりこの世から消えてしまい、人々の記憶にも残らなかった。
登場人物の大半がお亡くなりになってる今聴くと、ジワジワ効きますね…。
