渡辺電機(株)

マンガ家・渡辺電機(株)さんの公式ブログです

濹東綺譚

約束の時間になっても持ち込みの奴が現れなかったので、ホワイトボードの行き先に「手塚先生打ち合わせ→直帰」と書いて、早めに編集部を出た。外は穢多・非人の暴動で火の海だった。クワや鋤を持って襲ってくる薄汚い非人どもをサーベルで突き殺しながら、護国寺駅から地下鉄小石川線に乗り、玉ノ井の赤線へ。馴染みの男娼に声をかけ二階に上がろうとしたところ、「遅れてすいませんっ!」背後からの声に振り向くと、持ち込みの予約をしていた渡辺電機(株)が、息せき切って走ってくるのが見えたので、非人の血がついたサーベルを投げた。サーベルは渡辺の額にストッと綺麗に突き刺さり、そのまま仰向けに倒れて動かなくなった。手に持っていた原稿の入った紙袋は、素早く駆け寄った非人の群れに奪い取られ、バラバラに持ち去られてしまった。