喉が渇くので水をもらえませんかとやって来たおじいさん、ボケ老人か何かの勧誘かと身構えつつもポカリの500mlを一本くれてやったら、その場でグビグビプハーと飲み干し、「ごちそうさま」を全部言い終わる前に身体中の毛穴から水を噴き出してその場にドシャァッと崩れ落ち、湯気を立てる肉塊になってしまった。ポカリは浸透圧が体液と同じなので、子どもや老人が一気に大量摂取すると、しばしばこういう事態になる由。警官と救急隊員の説明にも釈然としないまま検察庁に身柄を送られたおれは、一言の弁解も許されないまま絞首台の露と消えた。
