タモリ倶楽部から出演依頼が来たので、待ち合わせ場所の母校の中学校のプールに30数年ぶりに行ってみたら、いじめっ子グループの小林やゲルやタミオが待っていて、おれをプールに突き落として溺れさせようと、水を浴びせかけ始めた。58年前と同じだった。すると、彼らはみな死んでしまったのか。途方に暮れてプールサイドのタモリに眼で合図をしたが、タモリは笑顔のまま黙って首を横に振った。では死んだのは、彼らだけではなかったのか。おれに水を浴びせ続ける彼らの顔は水しぶき越しの遠景と溶け合って、もう誰だか見分けがつかなかった。