渡辺電機(株)

マンガ家・渡辺電機(株)さんの公式ブログです

2018-02-01から1ヶ月間の記事一覧

春は馬車に乗って

石森プロで泊まり込みの仕事中、石ノ森の過去の全原稿が保管された資料室のソファで仮眠をとっていたところ、疲れと緊張があってか、恥ずかしながら夢精してしまった。石ノ森章太郎の生原稿に埋もれて夢精する贅沢さよりも、映画「兵隊やくざ」で娼婦を買う…

トリオ・ザ・パンチ

おすぎとピーコと電機。見分けのつかないオネエ三兄弟として知られる彼らだが、見分け方は意外な所にあった。背後から見ると身体が半透明で、実際はこの世のものではないことがわかるのが、長男のおすぎ。酔えばオネエ言葉は影を潜め、豪放磊落な九州男児の…

収容所惑星

二度と会えない覚悟で妻子を地球に残してやって来た木星刑務所だが、なんか普通にネットが使えて、地球とLINE通話とかできるのな。ビデオ通話で子どもたちにパパ大好き言われて、涙が止まりません。言われるままに全裸になり、おどけたポーズで子供たちを笑…

ジャズる心

マイルス・デイヴィスの秘蔵っ子と呼ばれ、トランペットの音色で人を殺すと言われた渡辺電機(株)さんが帰国して日本のJAZZ界も色めき立ったが、彼は音楽界とはきっぱりと一線を引き、主に官能劇画誌の巻末やビニール本の箸休めの下品なセックス4コマ漫画を…

神は死んだ

祭りの夜にふざけて着けた般若の面が取れなくなった渡辺電機(株)さんは、やむなく心を神に乗っ取られたフリをして、村人の供物で生計を立てることにした。こんな外見では、メイド喫茶の仕事も続けられないしな…。秋葉原での楽しい日々をなつかしみ、「神の祠…

ふたりの友

あなたのパンティ、見せてくれませんか?そう言ってカメラを手に近づいてきたAVカメラマンに、渡辺電機(株)さんは盗みたてのパンティの数々を背中の風呂敷包みから取り出し、好きなのを持って行けよドスケベ野郎、と吐き捨てた。やっぱり、アンタだったん…

イリーガルエイリアンズ

どこか遠い国でオリンピックが開かれている頃、渡辺電機(株)さんは世間の喧騒とは無縁な洞穴の奥で、ひとり漫画を描いていました。ああ、腹が減ったなあ。月に二度、原稿とひきかえに人間界の食べ物を持ってきてくれる編集さんが、ここ二ヶ月ほどばったり現…

わだばゴッホになる

90年代からインターネットで情報を発信し、現在もSNSや電子書籍等、ネットを活かした作家活動を長く続けていると言われる渡辺電機(株)さんだが、とある地方紙がインタビューを試み、担当者が偶々ネットに疎い高齢者だったこともあって、出版社を通じてコンタ…

カモンおばはん

まぁた負けやがった…だらしねえぞッ!口いっぱいに頬張ったキャベツの葉をTVの液晶画面に飛ばしながら、オリンピック中継の選手たちに罵声を浴びせる渡辺電機(株)さん。ちょっと、そのキャベツ売り物なんですけど。なんだぁ?ソース二度漬け禁止とは書いてあ…

昭和プロレス伝説

腹をすかせた若手レスラーたちを店に呼び、無料で腹いっぱい食わせてやるおじさんとして、渡辺電機(株)さんは格闘技界に幅広く知られ愛されていたが、力道山殺しの真の下手人だったことが発覚、人望は地に落ち、また渡辺電機(株)さんのおごりで食っためしも…

Landscape of life

渡辺電機(株)さんが飛蚊症を訴えて眼科に駆け込んだのは、立春を過ぎたばかりのまだ雪も溶けない頃だった。検査の結果どこにも異常はなく、よく考えたら視界の隅で常にチラチラしている黒い影は、渡辺電機(株)さんが最近すっかり関心をなくして相手にしなく…

銭牝

ママタレとして順風満帆の未来が開けているはずだった小倉優子が、渡辺電機(株)さんにこりん星に連れ去られてしまい、芸能界も寂しくなってしまった。一方のこりん星の方も既に時代は変っており、人々は勤勉で商売熱心で、抜け目のない守銭奴ばかりになって…

サンダースティール

リイドカフェでの連載が決まった途端に態度が横柄になり、暮らしぶりも派手になった渡辺電機(株)さんだが、web媒体の常として原稿料は非常に安く、ページあたり米一合と干し芋一切れという条件で、どうやってあの金遣いの荒い生活を維持していたのか。そして…

インテリ大戦争

てめえ、学士さまをなめんなよ!世が世なら仕事なンて引く手あまただったンだからな!尋常小学校もまともに出ていない荒くれ者の巣窟だった漫画界に珍しい大卒のインテリとして、学帽をかぶりメガネを光らせ、学士キャラで一世を風靡したのもはるか昔。今の…

道頓堀青春慕情

相方が泥棒で捕まる不祥事を起こして芸能界を去ることになり、お笑いコンビとしての渡辺電機(株)も解散を余儀なくされた。だがの、芸人・渡辺電機(株)としての人生は、まだまだ続いて行くんじゃ。こっからやで。そない言うて酒をおごり励ましてくれはった大…

大好き☆お兄たん!

長年の貧乏と挫折の日々で心を病み、自分をアニメの主人公と思い込んで「お兄たまの精子は、るーみぃが守るんだから!」などと舌足らずの口調で甘えるようになった渡辺電機(株)さんは皆の人気者となり、調子に乗って衆院選に無所属で出馬してみたところ、な…

ギャクシンカ

持ち込みに行ったら出てきた編集はチンパンジーで、おれの持参した原稿の封筒をサッと奪い取ると歯をむいて笑い、中身も見ずに持ったまま、ヒョイヒョイと木の枝を伝って森の奥へ消えてしまった。その時になって初めて、集英社のロビーとタンザニアのジャン…

必殺五輪砕き

オリンピックでみんな韓国に行って家が留守なので、ドロボーし放題!空き巣の七つ道具を手に、喜び勇んで貴乃花部屋に忍び込んで大広間のフスマを開けた渡辺電機(株)さんを、勢揃いしてオリンピックをテレビ観戦していた99人の力士と親方全員が、一斉に振り…

原子の帝国

部屋の力士たちはみんな出かけて、ひとりぼっちでお留守番の横綱。そこに現れたドジな泥棒、渡辺電機(株)さん。力士ならではの機転とトンチで泥棒を撃退せんとする横綱だが、渡辺電機(株)さんはオリジン弁当と間違えて拾い食いしたプルトニウムが元で、その…

おとこの楽園

生き餌としてゴリラの檻に入れられても、世渡りの上手さでゴリラをてなずけ群れの頂点に君臨しコミューンを形成し、武装蜂起して政権を倒しゴリラによる自由国家を樹立するほどの器の大きさを持つ渡辺電機(株)さんも、コミケでは一人の参加者として行列の最…

虚像のエコー

まだ幼い長男の眞が虫プロのスタジオに我が物顔で上がり込み、作画スタッフたちの作業にケチをつけ、「ボクのほうが上手い」などと調子に乗った挙句、当時在籍していた北野英明が眞をイキナリ抱え上げ、庭の池に放り込んだという逸話を、愉快そうに聞かせて…

ストリート・オブ・ファイヤー

曲馬団が街にやってくると言うので、乞食の渡辺電機(株)さんも何かおこぼれの仕事にありつけるのではと、街の入口の峠で今や遅しと一行を待っていたが、山間の向こうからドクロの旗を立てたバイクの軍団が気勢を上げながら街へ向かってくるのに気付いた。ど…

君の名は。

小学校以来の仲良しだったのに、片方が芸能人の一家に嫁入りしたら、だんだんよそよそしくなって疎遠になったという話を以前、知り合いに聞かされたが、まあ環境が変われば話題も噛み合わなくなって行くものだし、それは仕方がない。もうお前のようなどぶね…

平和を我らに

好きなコが出来たンだ…そう言って恥ずかしそうに笑った横綱の姿を隠し撮りし、動画をネットに上げてさらし者にして恨みを買った渡辺電機(株)さんは、日本中を力士に追われて放浪する身となった。こんなこともあろうかと、日頃からお地蔵さんに 親切にしてお…

未来派野朗

あけましておめでとうございます!!まだ正月だと思い込んでる可哀想な人のふりをすれば、さすがに哀れに思って、いくばくか恵んでくれるのでは…などと考えて、カフェで談笑するホリ工モンとひろゆきの前に晴れ着姿で飛び出した渡辺電機(株)さんだが、1ミリ…

春よこい

雪の積もった東京の朝。食うものも無く、生ゴミでも漁るかと表に出たら、部屋の前にこんもりと、人の形に雪の盛り上がった、まあ要するに行き倒れの凍死体があった。やれうれしや、身ぐるみ剥いで、あわよくば肉も…と掘り起こしたら、死体と思われたそれはム…

宇宙の果てを超えて

朝のJR中央線快速て女学生の尻を触ったとして乗客たちに袋叩きにされ、血だらけで身柄を新宿駅員に引き渡された渡辺電機(株)さんは、駅の事務所に連れていかれ、パイプ椅子に腰を下ろすなり、ニヤリと笑ってアゴをなでた。まぁ合格だな。この星の住人の民度…

おとなのえほん

AV女優、黒木香のファンクラブに入っていた頃のこと。会員特典の目玉である「誕生日に本人からお祝いの電話」サービスを、渡辺電機(株)さんは何より楽しみにしていた。だが、その年の誕生日は「マンガ日本経済入門 5 〜世の中金や!金や!〜」の作業の追い込…