渡辺電機(株)

マンガ家・渡辺電機(株)さんの公式ブログです

2017-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ギターに賭けた青春

世界三大ギタリストといえば、ジェフ・ベック、エリック・クラプトン、そしておれだが、身の程知らずにもおれの代わりに入りたいと称する外人がやってきたので、返り討ちにしてやんよと、ギターバトルに応じることになった。場所はメタルの聖地、日清パワー…

アルカトラズ

額がM字型に禿げ上がった鼻の大きな赤ら顔の中年男性500人を集めてビフテキ、うな丼、にんにくラーメン、ユンケルを振る舞い、全裸になってもらって壁も天井も真っ赤な部屋の大スクリーンでアダルトビデオのハイライトシーンだけ3時間に渡って鑑賞(両手を…

乙女の儚夢

サソリの活きの良いのが入ってたので、今夜のおかずは決まった。菜種油でカラッと揚げて、粗塩を振ってバリバリいただこう。あとはなめくじの酢の物に、チョウセンアサガオのおひたし、そして軍隊アリの炊き込みご飯。男子禁制の乙女の花園、AKB48女子寮のま…

ああ浦見灘

浦見魔太郎のその後については意外と知られていないが、中学卒業を控えて父親が失業、その時点で数百万の借金をして愛人に貢いていたことも発覚し、一家は離散していた。とにかく飯がたらふく食いたい一心で、相撲部屋に入門した魔太郎は、力士になってもや…

六つ子なんかに負けないぞ!の巻

また今日も晩メシどきを狙ってチビ太が遊びに来たので、生き餌屋で買ってきたゴカイやミミズがうじゃうじゃするバケツに、両足をつかんで逆さにして頭から突っ込んでやったら、中からウメーウメーてやんでちきしょベーロイと田中真弓の声が聞こえて、ケツか…

はじめてのおつかい

てめえこれうんこじゃねえかよ!おれが叩きつけた丸いプラケースが、レジカウンターの上で潰れて、中のドロリとした茶色い物体がゆっくりと広がった。強烈な悪臭。そのとおり、うんこの佃煮です、お客様。無表情の店員の女性が、低い抑揚のない声で、ゆっく…

ア・ガイ・コールド・ウンコ

お断りします。稀勢の里の凛とした声が、静まり返った大広間に響き渡る。協会の使者を務める二人の親方が、作法も忘れて思わず顔を見合わせ、え?と小さな声を出した。横綱はやんないつってんですよ。普段着のピンクのチョッキに半ズボン、アーガイルのソッ…

忍法木の葉隠れ

おれもご多分に漏れず三十三観音巡りというやつにすっかりハマっていて、日本中に33個しか無いという御朱印をめぐって、他のチェイサーたちと血まみれの争奪戦を繰り広げている。もう、何人殺したか覚えてすらいない。今日も秋川渓谷の森のなかで銃撃戦の果…

カフェ・ド・サヰコ

釣り餌屋で買ってきた、袋詰めの生きたコオロギを袋からつかみ取って、スナック菓子のようにムシャムシャ食いながらスタバに入店したら、イラク人の店員たちにポンポコチ〜ン♪とコールされ、店中の客がこちらを向いたら全員その顔がダダで、こちらも負けずに…

平成名力士伝

その佐藤と名乗る新弟子の少年は、誰の目にも明らかに将来の大関・横綱を予感させる、才能とパワーが満ち溢れていた。だが彼は会話に難があり、奇声を発することでしか、感情を表現できなかった。彼の入門以来、部屋には朝から彼の奇声が途切れることがなく…

キノコキノコ

高尾山にキノコ狩りに行ったよ。週末ということもあり、邪悪なカップルや意地悪な家族連れですし詰めのケーブルカーは、じろじろ見られる生き地獄。ひたすらエロイムエッサイムを唱えて耐え、やっと着いた高尾山駅から登山道へ。すると急に空が曇って紫色の…

サヨナライツカ

中山美穂とパリで密会していたのがバレて辻仁成に命を狙われることになったおれは、世界各地を逃げ回り何度も彼とカーチェイスやカンフーバトルを演じ、つかみ合ったまま滝壺に落ちたり爆発する油田で互いを見失うなどの果てに、ラグビーで決着を着けようじ…

わたしの東京大空襲

転校生のおれがスポーツ万能であることはたちまち全校生徒の知る所となり、休み時間ともなると、教室に各運動部の猛者たちが集まってきて、我が部に入れと次々と迫ってくるのだった。まあまあ落ち着いて。で、カワイコちゃんにモテモテの部はどいつだい?そ…

恐くてかなワニいざんす

シェーッ!空腹のあまりワニ革のサイフを食ったら、ワニ男に変身してしまったざんす!えっ、安倍総理、何を言ってるんですか!

ブチノメセ!

お味噌を分けてください…。数少ない親の形見の古ぼけたおたまを手に、隣家を訪れた渡辺電機(株)さん。襟がびろびろになって黄ばんだイギー・ポップTシャツを着用、こめかみに膏薬を張り、安倍総理と熱烈なディープキスを交わし…

湾岸ミッドナイト

何年ぶりかで朝まで徹夜で原稿を描くというのをやってみたが、午前2時くらいから百鬼夜行のおばけ大行進が家の前を通るので、おれもつい口笛を鳴らして紙吹雪を投げたり、朝日新聞社の旗を振って声援を送ったり、仕事そっちのけではしゃいでしまった。おれが…

ブレードランナー

いわゆる壁ドンというやつか、デッカードがおれを壁際に追い詰めて顔を近づけ、言った。キスしてと言え。でけえ鼻だな。しかも毛穴がボツボツで、こいつ近くで見るとキッショいな。聞こえないのか、キスしてと言え。言わねえよシミュラクラ野郎、どけよ。無…

内臓が汗かきよるわー

河口くん、梶原くんと3人でブルハ再結成の打合せ。真島・甲本くんらの穴をおれが一人で埋めるプレッシャーは相当キツイものがあるが、参加しなかった奴らを見返してやろうと、大いに語り合った。すでに復活アルバムの発売も夏に決定、各夏フェスへの出演も…

コミュニケイション・ブレイクダウン

レッド・ツェッペリンの前座で登場した渡辺電機(株)さんのトイレ漫談に、マジソン・スクエア・ガーデンの聴衆は爆笑に次ぐ爆笑だった。得意の下痢便サーフィンのネタを最後にステージを降りた後もアンコールが鳴り止まず、それが主役のレッド・ツェッペリン…

死霊のはらわた

カニはミソがンマいんだ!そう言ってメリメリと甲羅をはがし、中のミソを指でこそげ取って美味しそうにしゃぶる渡辺電機(株)さんだったが、カニに見えていたのは他ならぬ石ノ森章太郎先生だったのだ。かつての雇用主の腹を裂き内蔵をしゃぶり尽くした罪で、…

白と黒と赤

白ヤギさんから届いたお便りの便箋にはシアン化カリウムが塗布されていたが、黒ヤギさんは知る由もなくムシャムシャ食ってしまった。やがて胸が苦しくなってきたので、ああこれは友達の手紙を食ってしまった罪悪感のせいなのだなあ、おれはひどいことをしち…

メシアがふたたび

われわれが存在する電脳空間上の疑似歴史とは異なり、現実には、日本で初めてのO-157による食中毒騒ぎを収拾するために、当時の厚生大臣だった菅直人がカイワレダイコンを食うパフォーマンスを行った結果、見事に罹患して翌朝亡くなっていた。今われわれが生…

神風

全裸にピッチピチの黒パンストを履き、ルチャの仮面に七色アフロのカツラをかぶった姿で、東京都杉並区内の公衆浴場に現れては、客の出入りの瞬間を狙って、のれんの隙間から女湯や男湯を覗き込む行為を繰り返していた渡辺電機(株)さんだが、駅の階段でお年…

普通戦隊ニンゲンジャー

初場所が始まり、相撲取りたちもおれの力士育成牧場から次々と部屋に入厩して、すっかりさびしくなってしまった。今場所の成績次第では豪栄道を引退させて繁殖に上げる計画もいよいよ現実味を帯びてくるので、そうなったらまた忙しい日々が待っている。力士…

ドカドカドッカン先生

こんな田舎の女子校に新任の先生なんて、どんな物好きなのかしら?噂話に花を咲かす生徒たちの前に現れた、テンガロンハットに白のTシャツ、ずだ袋を担ぎ、Gパンに下駄を履いた若い男。やあ君たち!この辺りに白バラ学院という女子校を知らないかい?爽やか…

四角いジャングル

試合後の控室にやって来た前田にボコボコにヤキを入れられた坂田は、次第に原型を留めないゲル状の肉塊に姿を変えて行った。そのブヨブヨの感触が更に前田を苛立たせ、革靴での執拗なストンピングから、パイプ椅子での殴打へとエスカレートして行く。その様…

ミート・イズ・マーダー

70を過ぎたばかりなのに、まるで90歳を超えているかのようなポールマッカートニーの近年の容姿の衰えっぷり、逆に80を超えてなおギラギラしてマシンガンのように喋り続ける大村崑の迫力、これらから察するに、菜食主義は寿命を縮める。肉を、ビフテキを食い…

忘れがたき人

飲み会の帰りに蔵前の厩橋の欄干にもたれて、隅田川の川面にむけてゲロを吐いていたら、「釣れますか?」のんきに話しかけてくるやつがあるものだから、ムッとして振り向いたら、元大関貴ノ花の藤島親方だった。釣れるわけないでしょ、親方。ゲロ吐いてんす…

さまさか星人

ケロッグの新製品フィンガーチップスというのを買ってきたが、ボウルにあけてみたら、乾燥させた人間の足の指だった。ミルクと、おれのお好みではちみつを少し垂らして食ったら、サクサクして美味かった。朝はこいつで決まりだね!しかしこんだけの足の指、…

京都の大地はでっかいどう

鴨川の三条大橋下のホームレス軍団と、我々四条大橋下のチームとの抗争は長年に渡り、上流から大小便を流されたりの嫌がらせに対抗して、こちらからも遡上する気満々のシャケ500匹を放流して大パニックに陥れるなど、犬猿の仲はつとに有名で、四条大橋から見…