渡辺電機(株)

マンガ家・渡辺電機(株)さんの公式ブログです

2016-03-01から1ヶ月間の記事一覧

六甲おろし

北新地で85年日本一の頃の阪神ナインの同窓会。掛布岡田バース真弓佐野平田木戸ゲイル池田中西山本和ら主力選手はほとんど欠席もしくは音信不通、出席したのはおれと川藤と油すましの3名のみとなった。31年も経つと、こんなものか…。しかし、油すましはさて…

劇画ジャッカル

向かいのマンションに泣き虫で甘ったれの幼児がいて、今日も表でメソメソ泣いているのだが、いつもと様子が違い、両親が夫婦喧嘩をしているらしい声もする。かなり険悪な罵り合い…と思ってよく聞いたら、喧嘩ではなく2人そろって子供を罵倒しているのだった…

燃える傾斜

おやつにしましょうとレンジで加熱していたさつまいもが真っ黒に炭化して部屋中が白煙で何も見えなくなってしまったので、おなかぺっこぺこだおぅ!などと絶叫して激しく燃える部屋から飛び出してきた渡辺電機(株)さんに、消防隊のホースから激しい水流が直…

ノーフューチャーホーユー

銀座の永野のりこ先生の個展からつまみ出され、ケチャップまみれのままでブラブラ日比谷公園を抜け、永田町方面まで散歩した。何度も職質を受け、そのたびに小惑星の接近やユダヤの陰謀の話を一から説明せねばならず、ウンザリしたが、農水省前の桜が咲き始…

横綱の涙

「白鵬、優勝見事であった」「はっ」おれの前にひざまずく横綱は、賞賛の言葉に喜びの感動を隠そうともせず、高調した顔で滂沱の涙を流した。「ゆくゆくは相撲協会も我々のものだな。白鵬よ、その時は貴様にも要職に就いてもらうぞ」「は…」なぜか表情を曇ら…

永遠のパスポート

原作通りならワカメもタラちゃんもすでに70歳を超えている筈で、未だに幼児なのは明らかにおかしい、偽者なのでは?と疑っていたが、実際に本人に会って疑問は解決した。アンチエイジング効果について盛んに喧伝されていたセサミンに、まさかそこまで効果が…

Final Countdown

とりあえず5月の東京のコミティアはスペース取れてました。きちがいシリーズの最終巻を出そうと頑張ってますが、かつて仕事を完全に休んで作っていたものを、仕事の合間をぬって作るようになったので、なかなか進まず、現実逃避でセカンドライフに没頭したり…

スイートホーム

グルメ番組のリポーターの仕事が入ったのだが、なめくじのナマ食いだけは勘弁とお願いしてあったにも関わらず、現地に着いて見たら例によって古い民家の庭石をひっくり返すシーンのロケから始まったので、死にたくなった。だが、石の下から出てきたのは、お…

黒薔薇昇天

生涯ただ一度だけポルノ専門映画館で観たのが、よりにもよって勝目梓原作「悪女軍団」だったので、三姉妹ににウイスキーを静脈注射されて風呂で溺死させられるヤクザとか、面白すぎてエロい気分になるどころでは無かった。映画館といえば親と一緒に見に行く…

お笑い三国志

「マネージャー、ゴム!」怒気を含んだ声に振り向くと、ファンに気づかれて機嫌を損ねた保阪尚希が、長い髪をしばるゴムをマネージャーに差し出させるところだった。だが、そのマネージャーはどう見ても横綱白鵬の変装だった。マネージャーが差し出したゴム…

最後通告

白鵬の相撲ぶりが荒ぶる原因が当ブログにあるとのことで、相撲協会様より正式に抗議の書状をいただきました。現実に、家の軒先にコンッて矢文が刺さると、本気でビックリしますね。で、書状に書かれていた番号に電話して、理事長直々に会ってくださるという…

野獣死すべし

阪急ブレーブスのロッカールームから盗みだしたブーマー選手のスマホで、ツイッターに上田監督の中傷を書きまくっていたら、居場所を自動で公開する設定になってるのを知らなかったので、支度部屋にバットを持った阪急ナインが乱入してきて大騒ぎになってし…

激ウマ!蒙古ラーメン

白鵬の背脂でダシを取ったラーメンが大当たりで、今では両国国技館に相撲よりもラーメン目当てに来場する客が後を絶たず、上位陣の取り組みの頃になっても客席はガラガラで、おれのラーメン屋の前には長蛇の列ができている。一方、背脂を抜かれた白鵬はすっ…

寄席芸人伝

鶴光師匠に初めて連れて行かれた銀座の寿司屋で、かんぴょう巻やかっぱ巻ばかり食べるので、遠慮しないで高いもん頼みなはれと言われ、こんな面識のないおっさんが手づかみにした魚の死骸、よう食いまへんわと答えたので、帰れあほんだらと怒鳴りつけられ、…

ゴリラ文藝

目が覚めたら上野動物園のゴリラの檻に入れられていて、ついにゴリラと結婚か!と途方に暮れていたら、おれと同居することになったのはゴリラではなく、小説家の川端康成先生だった。いつも口をへの字に結んで端然と座し、静かに書き物をしている上品なお年…

ならず者

全然関係ない他人の漫画を勝手に自炊して、自分の作品としてAmazonのKDPで売ったらどうなるかを試してみた渡辺電機(株)さんは直ちに国際手配され、世界各地を逃げまわった挙句、半年後にザンビアの田舎町の村役場に、乞食同然の姿で救いを求めて現れた。日本…

不死販売株式会社

死を覚悟した瞬間に走馬灯のように人生が、と言いますが、時速300kmで疾走する自慢のポルシェから投げ出されたおれが、宙に舞いながら見た走馬灯は、あまりに長く面白くメリハリに富み緩急も見事で、サービスカットなどもふんだんに盛り込まれ、おれもついつ…

いつも同じ車で事故るんだ

相手が何か面白いものを秘めていたら、有名無名を問わずドンドン絡んでいって助力を惜しまず、底が見えたらバッサリ切り捨てる。そんな好奇心と優しさと残酷さを併せ持った恐ろしい人物であるデビッド・ボウイに、おれは過去に一度だけレコーディングへの参…

生存学未来編

国内最高のSPによる厳重な警戒の目をかいくぐって、安倍総理の顔面にむき出しの尻を押し当てるゲームに優勝したおれは、ロシアで開かれる世界大会に向けて成田を発った。もちろん、今度のターゲットはプーチン大統領である。屈強なロシア人たちの放つ銃弾を…

あの日を忘れない

北のなんとかはうまいっしょ!などと申しますが、当地北海道にも不味いものはいくらでもあるわけで、わが沖縄料理の店「海人食堂」釧路湿原店は、今日も絶賛閑古鳥が鳴いている。うまいまずい以前に、まず人が通らない。エゾジカが時々ゴミをあさりに来る程…

魔法少女の懲りない面々

ボクと契約して魔法少女になってよ!安部譲二さんに、赤ちゃんのような笑顔でそう言われて、断ることなんかできないっす。で、なったっす魔法少女に。とりあえず街金に借りてた80万、チャラにする魔法ないっすかと聞いたら、ガーッハッハそんなのないよ!と…

ニンジャウォリアーズ

さあ、おじさんと一緒に忍者の国に行こう。忍術で毎日楽しく暮らそうよ!そう言って忍者コスで南天満公園の幼児たちに声をかけて回ったが、親に警察を呼ばれただけだった。金を握らせればどうにでもなると聞いていた大阪府警の取り調べは、融通が効かず苛烈…

鏡地獄

むかしはこの洋館を美学生たちのために下宿として開放していて、一階の食堂を彼らのサロンとして、いつも文学や芸術や革命の話に花を咲かせていたわ。あたしはマダムと呼ばれて彼らの相談相手になったり、保護者として警察に身柄を引き取りに行ったこともあ…

Bandoやろうぜ!

髪をモヒカンに立て、ローマ字で「Pankusu notto deddo」とマジックで書いたTシャツを着て、得意満面でポーズを取るおれの姿が、まさかストリートファッションの権威「Men's egg」の表紙を飾るとは…!カメラマンさんにおだてられて、ついニヤけてしまう顔を…

二十世紀旗手

太宰からの「芥川賞ください」攻撃があまりにしつこく粘着質で、手紙やメールの内は我慢して穏便に対応していたが、ノーベル賞受賞の記者会見の際、おれの背後で「芥川賞は太宰へヨロシク」なるプラカードを掲げてウロウロするに及び、とうとう堪忍袋の尾も…

鍍乱綺羅威挫婀

若者の間で流行っているとの言を真に受けて、「江南スタ〜〜イル!」と絶叫して全裸で飛び出していった渡辺電機(株)さんを、フロアの若者たちは表情も変えずに袋叩きにした。「ヒデー目に遭ったぜ…」たんこぶだらけで寝込む渡辺電機(株)さんの所に、嘘を教え…

子をつれて

「お父さん、僕エビフライ喰べようかな」「よしよし、エビフライ二つ」「お父さん、僕エダマメ喰べようかな」「よしよし、エダマメ二つ、それからお銚子」「お父さん、僕小ざさの羊羹喰べようかな」「それむっちゃ並ぶやつやん」「ぼく食べたいねん」「あか…

戦争を知らない子供たち

我が子に「老害」と面罵され「あんたらの世代が日本をダメにした」と詰られて返す言葉もなく、ちゃぶ台をひっくり返して逃げ出してきたのだが、まったく一家の大黒柱をなんだと思っとるんだ!誰のおかげで大学に行けてるのか分かっとるのか?大いに憤ったも…

恋のキャッチャーミット

やっと肛門科の先生のお許しが出たので、久々にブルペン捕手としてベンチ入り。五十嵐、バリオスらのスタンバイの相手を務める。久々に肛門で受けるプロの球、やはりいい音を立てる。試合に出るのが今から楽しみだ。休養中に取り入れた加圧トレーニングによ…

下町任侠ものがたり

JR鶯谷駅から徒歩10分くらいの裏通りにある根岸稲荷神社の境内でエロ同人誌の屋台を出していた渡辺電機(株)さんが行方をくらましたのは、一帯のテキ屋を統括する地廻りのやくざが警察の手入れを受ける前日のことだった。老齢の組頭と親の代から仕えてきた…