お前はひな菊

渡辺電機(株)さんがいつものように漫画の持ち込みに訪れた、とある出版社のコミック編集部。原稿を興味なさげにパラパラと流し見して、苦笑いしながら「あのね、」と誰もが知っている業界不況の話を始める編集者を前にスックと仁王立ち、一気にパンツを下ろすと、そこにあるはずの陰茎が、ない。そこにはただ、一輪のひな菊が活けられていた。ほらぁ、チンポもないでしょ？鼻で笑い、編集者はテーブルの上の渡辺電機(株)さんの原稿を中指でツツーと押し返す。押し返してから、え、チンポがない？あわてて二度見した編集者の目の前には、もう誰もいなかった。ただ一輪のひな菊が、テーブルの上に置かれていた。な、なんや気ぃ悪う。編集者は気味悪そう首を振り、立ち上がったが、なぜかそのひな菊を捨てる気にはなれず、自分のデスク上の「おーいお茶」のペットボトルに挿し、その日はいつもより早めに帰宅した。翌日出社すると、デスクの上のペットボトルに陰茎を挿した渡辺電機(株)さんが、身体をぴんと張って空中にその身を横たえていた。

KINGDOMS DISDAINED

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[まとめ買い] 超虚言力