ワンピースは私の創作ノートからの盗作ですと主張して訴えを起こした渡辺電機(株)さんは、食い詰めた貧乏漫画家が心を病んだ果ての妄想と世間に嘲笑われ、恩を仇で返す破廉恥漢として集英社から出禁を言い渡されたが、訴えられた尾田栄一郎本人が、泣きながら「たしかに私が、テレパシーで盗みました」と盗作を認め、事態は急変した。一躍ワンピースの真の作者として脚光を浴びた渡辺電機(株)さんは、巨万の富を得るとともに、講演会やシンポジウムに引っ張りだことなり、国民栄誉賞の声も聞かれるまでになる一方で、全てを失った尾田栄一郎は裸一貫、情報商材ビジネスで生活費を稼ぎながら出直しを図ったが、誤って食べた毒キノコが元で、極彩色の粘液人間に変わり果て、ボルネオの密林で人を食って暮らした。そんな二人が、コンビを組んで関西のお笑い界を席巻するのだから、人生はわからない。
