渡辺電機(株)

マンガ家・渡辺電機(株)さんの公式ブログです

終末番長

高下駄の音も高らかに、今日も渡辺電機(株)さんが学園にやって来る。素肌に学ランを羽織り、目深にかぶったボロボロの学帽の下は伸び放題の長髪。葉っぱをくわえ、背負ったズダ袋からは、手脂と血のにじんだ木刀が、のぞいている。三年三組の朝の静寂を破って勢いよく引き戸を開け、親指で学帽のつばをグイと上げると、ニタリと笑ってクラスを見渡す。ようヒヨッコ諸君、お勉強ご苦労。待たせたな…。もちろん荒廃した教室には誰もおらず、ガラスの割れた窓いっぱいに、寿命を迎え赤色巨星となった巨大な太陽が、ギラギラと照り付けている。永遠に番長でいたいと神に祈ってから、もう56億年は経ったろうか…。

My Name Is

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