渡辺電機(株)

マンガ家・渡辺電機(株)さんの公式ブログです

大江戸噺家名人伝

笑点のオーディションに遅刻して立川談志の怒りを買い、レギュラーの座をみすみす逃した渡辺電機(株)さんの落語家人生は、その日を境にゆっくりと下降線を辿って行った。当時人気の絶頂にあった談志に気を遣ったテレビ各局は渡辺電機(株)さんの起用を見合わせるようになり、協会内でも次第に孤立して居場所をなくして行った渡辺電機(株)さんは、地方の縁日の芝居小屋やギャング団の宴席、悪役レスラーの決起集会などに出演して糊口をしのいだ。その決起集会で、当時引退を考えていたミイラ男ザ・マミーに気に入られて後継者に指名され、人生は思わぬ方向へ転がり始める。思い切って飛び込んだ悪役レスラーの世界だったが、そこでタッグを組まされた獣人ウルフマンジャックこと馳浩の影響で政治に関心を持ち始め、独学で政治を学び、ついには自由民主党から参院選全国区に出馬して当選。ほどなく衆院に転じ、竹下登の懐刀として長く国会で権勢を振るった。そして竹下が首相指名されたのを受け、内閣官房長官の座が転がり込んで来たその夜、脱皮が始まった。巨大な殺人バチとして羽化した渡辺電機(株)さんは人間としての記憶を全て失い、人を襲って生き血を吸ったが、笑点のテーマが流れている間だけは人間の意識が蘇り、軽妙な艶笑落語で人々を笑わせたという。

グレゴワール氏の小さなヴァイオリン(le Petit Violon De Mr.Gregoire)

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しかめづら(Grimaces)

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